米国直輸入品 Belden 9497 16GA スピーカーケーブル
(推奨距離、片側3m〜5m、もしくは10m以上〜15mくらいまででしょう)
【10mは、米国直輸入品のみ。10m以上〜15mでも、偶然使える場合もあるでしょう】
日本に出回っている9497が中国製である事については、すでに書きました。
それでは、米国直輸入品の9497とは、どこが、どう違っていたのか?
その実験結果を、報告致します。この実験結果を、商品説明に、替えさせていただきます。
まず、当店が、なぜ、あまりにも有名な9497を、今まで扱って来なかったかについてです。9497は、その形状からして、コイル効果で、長さを伸ばしていっても、高域が上昇しないという事が、音を聞かずとも、分かっていたからです。
★ということは、音の焦点合わせが出来ないという事を意味します。
音の焦点を合わせてこその「オーディオ」であると考えていた当店には、9497は、販売したくても、販売出来ないものでした。
★今回、改めて、中国製のそれと、米国直輸入品の音を比べる為の実験をしましたところ、凄い事が分かってきましたので、どなたにも分かるように説明させていただきます。
まず、3mの、米国直輸入品の9497を聞きます。3mのメッキ線材にとっては、音がキンキン過ぎて聞いておれなくなりそうな、あまりにも過酷な、過剰装備と言えるでしょう。
★装備を箇条書きにします。
1)M2チップのマックミニのイヤホン端子からの、史上最高のデジタル音です。史上最高の、超弩級の音+機器セット
2)フラッグシップの電源、ダウン&アイソレーショントランス、3000W
3)アレン&ヒース WZ4 12:2
4)エレクトロボイス、SX300E(能率99dB・結界なしの音です。)
5)ベルデン9497
以上です。
ベルデン9497の、米国直輸入品の3mの場合・・・・
なんと、最初から合っています。高域も適度に伸びて、中島みゆきさんの声が美しいです。
予想はしていましたが、驚きました。キチキチに巻いた、バネ線材のような、線材の巻き方がもたらす、コイル効果で、高域が上昇していません。わざと高域を落とす設計だという予想は的中していました。
★それにしては、本場の9497の音は、美しい音でした(たまたま音の焦点が合っていたという事情もありますが・・なぜ偶然にも合っていたかが、大問題でした。9497は、レコーディングスタジオ御用達のものだったのでしょう。
★これだけの装備で合うということは、まさか!ですが、往年のA7なり、612Aなりをモニターとしていた頃のプロのスタジオの音に合わせてあったということです(今は小型パワードモニターです)。
★ 9497は、一見、高域が上昇しすぎないようにしてある、オーディオ用のケーブルにしか見えなかった。
そこに見落としがありました。
さらに言えば、このケーブルで、オーディオ店のアルテックA7なりA5が、なんとか鳴っていたのは、ロジウムメッキの数段重ね+アッテネーターのあてずっぽうの位置、などなど、キンキンの音であっても、何とか柔らかい音になり、ヘンテコなバランスではありながらも、生音には、ほど遠いにもかかわらずい、なんとかスレスレで鳴っていたということだったのでしょう。
★ オーディオ屋が、100V環境+民生用アンプで、9497を使ってA7を鳴らしていた場面は、オーディオマニアさんならどなたも見た事がありますでしょう??
だからこそ、誰一人として、9497の、本当の正体に、気づきもしなかったということです。
★つまり、前向きに考えれば、200V環境+プロ用機材の場合には、クロスオーバーも必要ない、ケーブルを切っての音の焦点合わせも必要ない場合も、あり得るということです。
ただし、その場合、音が眠ければ、電源をグレードアップするなどの方法が必要になる、結局、かかる経費は同じになる可能性もあります。
注意事項:)もう一つの問題点としては、往年のWEなどの完璧なスピーカーケーブルに比べると、奇抜な発想で設計されており、無理をしている分、わずかに劣っていたような気もします。このあたりは、今後、皆さん一人一人の実験による検証も、必要になってくるかもしれません。抜けたいかたは抜ければいいです。皆さんが検証してくれるでしょう。
★ または、当店が、新たな事が9497問題で発覚すれば、追加実験して、追加記入していきます。
★当店の実験室+M2マックミニ+機器セット、その他の機材は、平均的なレコーディングスタジオで鳴らす、レコーディングしたての音と同等くらいでしょう。結界を張れば、もちろん簡単にプロスタジオさんを越えていきます。
5mと10mも用意していましたが、5mは、もはや聞く必要なしと判断して、10mを聞きました。
米国直輸入品の場合は、10mにしても、音質を維持しています。わずかにどこかが違うだけで、ほぼ変わらない音を聞かせてくれていました。これが9497の正体です。だから、音の焦点の調整が出来ない。
メッキで高域が上昇していくに伴って、コイル効果で、高域が減衰していって、バランスが取れてしまうように設計されていました。ターゲットは、レコーディング・スタジオの環境です。
音の焦点が調整できそうにないから(聞かなくても、それは原理からして分かっていましたから)、当店は扱わなかったのです。
ここまでは、意外にも音が、かなり美しかった事以外は、予測通りです。
次に300m巻きの中国製の9497の、3mの音です。高域が伸びません。マックミニ、機器セット、ダウン&アイソレーションという、過剰過ぎるほどの装備でも高域が伸びませんから、普通のオーディオでは、高域が完全に死ぬでしょう。WEか、8470、8460、または、過剰装備の場合には、AE線で、音の焦点を、きちんと合わせたほうが、はるかに優れた音が聞けるでしょう。
なお、100m巻きの、別ルートから入手した、中国製の9497のほうの音も聞きましたが、全く同じ音でした。
といっても、直輸入品との差は、0.8ランクの違いでした。国内で買った9497をお使いのお客様は、ベルデン社の想定よりも、0.8ランク、劣った音を、今まで聞かされてきたということです。0.8ランクしか違わないというのは、どうでしょう?
88760や8470、8460の中国製ほどに、酷い差があるわけではありません。
上記の三種類のケーブルの場合は事情が違います。「なんなんだこれは!」というほどに、「使わないほうがまし!」というほどに、米国直輸入品に、圧倒的な差で、劣っていました。
理由は、何となくですが、想像出来ました。コイル状態を維持しないと成り立たないケーブルですので、バネ線材のような線材を使わないといけません。ベルデン社の指定に近い製造方法でないと、成立しなかったのではないか?
ベルデン社の製造方法しか、方法が無かったのだろうと、直感的に思いました。線材のコストダウンは、最小限でとどめられていたということです。しいて言えば、劣っていたのは、銅の品質そのもの、メッキ金属の品質そのもの、あたりでしょう。
周りを囲むPVCの品質も劣っているかもしれません。
線材も、バネ的な要素以外の部分で、多少はコストダウンされている可能性があります。
次に、10mの、中国製を聞きました。
これはいけません。高域の落ち込みが3倍に増えています。0.8ランクの違いではなく、2.4ランクの違いになってしまいました。
★商品説明は、これでよろしいでしょうか?
ある程度の過剰装備の場合、最初から、ドンピシャ、音の焦点が、およそですが、合う可能性が高いケーブルだったということです。今だからこそ、当店も、やっと9497を売っても良いのかもしれません。9497のカラクリが、その謎が、完全に解けています。
★音を聞いてみて、可能性に賭けてでも、試しても良いほどの音を出してくるケーブルだと感じています。ただし、焦点が合わなかったら、AE線や8470に、切り替える必要があります。または、装備のほうをグレードアップして、メッキで高域を上昇させるような愚行は一切行わず、高性能トランスなどを入れて、音をシャープにしていかないと、きちんとした音が出ないでしょう。
オーディオ屋で、かろうじてなっていた、アルテックみたいな音になってしまうでしょう。
★9497の意味とは?
9497の意味は、大半のプロスタジオさんが、良い電源、良いアンプ、良いコンピューター、良いDAC(百万円くらい)の音源を使っていますので、それに合うように、音の焦点がはじめから決められていた、ということでしょうか?
ただし、百万円のDACとて、今や、M2チップのマックミニのイヤホン端子には、負けます。意味がありません。
★実験してみて、スタジオ御用達のものだったのだと、感じております。過剰装備でも、メッキ線材+コイル効果という荒業で、音がシャープになり過ぎる事なく、聞けてしまうからです。
★ 最後に・・、米国の、往年のプロスタジオさんが、どう調整していたか?です。割とプロはおおざっぱです。
高域がわずかにきつすぎれば、ミキサーの高域のイコライザーで、少々高域を落としていた程度の事をしていただけでしょう。
高域が甘すぎれば、ミキサーのイコライザーで、高域を少し持ち上げていた程度でしょう。
(ミキサーに付いているイコライザーは、プロ用ですので、すごく切れます!)
★ それだけで、モニターとして、十二分に成り立ってしまいます。彼らはオーディオマニアではありませんので、CDさえまともに作れれば良いという程度であり、完璧主義ではないのです。
製品仕様
- 2芯
- 外径 5.33mm
- 導体芯線外径 1.29mm(16AWG)
注意事項:)音源の最終回答として、マックミニの発表に伴って開設した鬼門コーナーのブログのほうにも、同様の事を記述してますが、記事の内容が、少々違う部分があるでしょう。別々に書いています。ブログのほうを後に書いています。内容が、必ずしも同じではないです。両方ご覧になると、面白いかもしれません。
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プロケーブル注:)コイル効果につきまして
コイル効果は、このケーブルのように、1センチ以内(5.33mm)の細さまで追い込んで、キチキチに巻かないと、何も起きません。つまり、WEがよってある、8470がよってある、という程度では、音の変化は、何も起きません。
さらには、AE線の200mでスピーカーに接続されるかたには、当店は、箱から両端だけ出して、アンプとスピーカーを接続するように、推奨しております。コイル効果でおかしくならないか?、と、気にされるお客様もおられますが、何も変わりませんから、絶対に箱から出さないで下さいと、厳重注意しております。
理由は明解です。部屋の中を200mを2つも、這わせられるものですか!、箱に入れたまま使わないといけません。20mの場合は、この限りではありません。
コイル効果とは、9497ほどに、キチキチに、細かく巻かないと成立しないのです。AE線(約30センチ幅の巻き)とて、ごくわずかには、あるかもしれませんが、無視できる程度に過ぎません。0.0001dBの高域の違いに過ぎないのであれば、誰にも感知出来ない、微々たる種類のものですから、そんなものは無視して、使いやすく快適に使って下さい!という意味です。
以上です。
注1:)スピーカーケーブルは、必ず左右同じ長さで接続してください。
注2:)スピーカーケーブルの「本数」につきまして
スピーカーケーブルというものは、スピーカーを鳴らす為のものです。1本というのは、1個のスピーカーを鳴らせる1本ですから、2本(プラス/マイナス)がはじめからよってあります。例えば、アンプから2m離れた2個のスピーカーを鳴らすには、『2m×2本』をお買い求め下さい。この種の間違いが継続的に多発しておりますので、注意ください。
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