米国の、超一流プロ用アンプメーカー、CROWN社のスタンダード商品、クラウンD75Aです。日本名はアムクロンD75Aです。
これは実に、強烈なアンプです。米国のレコーディング現場の「歴史」を作ってきたアンプと言っても、過言ではありません。
このD75型番のアンプは、D45よりずっと以前からあることからして、音楽の歴史に深く関わっているという事情があります。
このことにつきましては、後述致します。
商品の特徴の、詳しくはクラウンD45のほうの商品説明をご覧ください。事情はD45と全く同じです。低域のダンピングファクターも、クラウンD45と全く同じで、400という数字です。出力は、こちらは、40W×40W(8Ωスピーカー時)、55W×55W(4Ωスピーカー時)になります。
スピーカーの能率87dB以下には、D75Aのほうが適性と思われます。能率83.5dBのスピーカーにもクラウンD45で十分であったという報告がありましたが、このあたりはスピーカーの品種にもよるものと思われます。
これらのアンプは、どのような民生用アンプより上です。それが500万円のアンプでも同じことです。価格は一切、関係ありません。120ボルト米国仕様の、クラウンD75Aです。米国は最終適合検査を120Vでしていることから(一部の地域が120Vであるため)、また、公的な検査は120Vで行うため、古くからの伝統的メーカーは特に120V表示をしている傾向にありますが、実際には、北米大陸の大半が115V地域であるため、米国製機材の大半が115Vで製造されていると思われます。100Vでの利用でも、これは「魔物か!」とみまごうばかりの、実に見事な音をD75Aは出してきます。
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D45と音は全く同じですので、音につきましては、D45のほうの、お客様のコメントを参照してください。お客様の大半は、100V利用でのコメントです。
下の画面「左側の写真」が、スピーカー端子です。ネジ止め式です。このシンプルな方法こそが、最も高音質です。この背面の構造は、クラウンD45と全く共通です。
下の画面「右側の写真」が、入力端子です。「XLRプラグとステレオフォンプラグ両用」のプラグ入力部分になっております。これもD45と同じです。
クラウンには、350W等の、コンサートホール用もあります。しかしそれは、用途がまるで違うものです。とにかく「高価なものが良い」「上位機種が良い」という感覚は、根こそぎ、ことごとく、捨て去ってください。それは洗脳であり、デタラメです。アンプというものは、小型のほうが、圧倒して高性能です。少しの違いではありません。相当の違いです。それにつきましては、
■アンプのダンピングファクター
として、ダンピングファクターが2000もなぜ必要な場合があるのか、その種のアンプの用途を明確に記述しておりますので、そちらをご参考ください。
音質は、D45の25Wに対して、こちらは40Wですが、それくらいの違いですと、音は全く同じになります。クラウンD75Aも、クラウンD45同様、至高の中の至高のアンプです。
なお、上の写真は、クラウン社がD45とD75Aに対して行っている、検査結果です。出荷前に、全てのアンプの主要データが、このように検査されて、規定値をクリアーしたものしか出荷されません。これは、超一流の音しか許容しないメーカーの体質の、証です。D45にも同じくこの検査表が一台一台、添付されています。
■D75Aの伝統について
もともと、クラウン社は、40W×2の、このD75A(昔は単にD75という型番でした)を、スタジオモニター用のハイクオリティー小型アンプとして位置づけて製造していました。当時のD75がクラウン社の中では、最小のアンプでした。理由は簡単です。クラウンの他のアンプがコンサートホール用であるに対して、このD75は、スタジオモニター用だったからです。スタジオオモニターも、当時は能率が高く、40Wもあれば、余裕で、いかなる場面をもクリアーできるという事情がありました。それはおそらく、1970年頃からのことでしょうか。ずいぶん前から、このD75は存在しています。
米国内では、スタジオがアンプの入れ替え時をしたりする際には、20年以上も使っているだろうというほどにボロボロの老兵、D75が、中古商品として良く出てきます。その多くは、多少調子の悪いものです。プロの現場ですから問題が起きてからではいけませんから、少々違和感を感じた段階で、新しいD75Aに入れ替えているのでしょうが、それにしても、毎日限界まで酷使してさえ、20年から30年です。そのタフネスさには、驚きます。と同時に、それほど大量のD75が、米国のプロの録音現場で使われているということに他なりません。
音は全く同じです。現代のD75Aも、古い型のD75も、見分けが付かないほど同じ音になります。もちろんD45のほうも、単に少々小型化したというだけですから、これもまた、全く見分けの付かないほど同じ音です。
その、D75という型番の古くから存在しているモニターアンプこそ、米国人が、昔からオーディオ用途に使うと、いかなるアンプより優れているものとして、オーディオ用に良く使ってきた現物そのものです。知る人ぞ知るという現象が、米国では起きていたということです。
その後、現代になり、D75Aの、少々の小型バージョン、D45を、クラウン社は出してきたといういきさつがあります。
オーディオには、D45で十分であることから、D45で十分とも思えますが、少々の例外は、iPodを直接パワーアンプに接続するなどしたときです。iPodは、米国内で、音が大きすぎて難聴になったという理由で訴訟を受けています。それで出力音量を下げてしまったのです。iPodの現行モデルは、性能こそ進化しているものの、出力だけは初代iPodより、かなり小さくなっているのです。
さて、これを初めて読まれるかたは、なぜ「子供のおもちゃ」のiPodのことなど、至高のアンプのことについて書いているのに問題にしているのかと、思われるかたもおられるかもしれません。
それはとんでもない誤解です。iPodは、CROWN D75Aと対等に張り合うだけの品質、ベストマッチの音源になります。
幼児用のおもちゃは、大きくて重い、CDプレーヤー側のほうです。
iPodこそが、世界最強のCDプレーヤー、至高のCDプレーヤーであり、D45なり、D75Aのゲテモノ的なほどに高い能力のアンプと組み合わせますと、前代未聞というほどの無敵のコンビ、驚愕のコンビというほどの、凄まじいばかりの「音」が、実に簡単に、飛び出してくるのです。
なぜ、いままでのCDプレーヤーが、悪質というほどにデタラメ、ボロいものだったかにつきましては、下記に詳しく書いてあります。
19)CDプレーヤー/欠陥品(大鬼門)
クラウンのアンプは、D45もD75も、+4dBを受ける入力端子です。そこに、訴訟問題で出力の落ちてしまったiPodの出力を直接入れると、スピーカーの能率が低いケースなどでは、大きい音が出せないこともあるのです(スピーカーの能率次第です)。
このあたり、スピーカーの能率を問題にされてください。能率さえ高ければ、D45で十分です。
スピーカーの能率につきましては、
3)スピーカーの能率(最重要)
として、「オーディオの基本と鬼門・その真実」のコーナーに、詳しく記述しておりますので、そちらを参照されてください。
スピーカーの能率につきましては、誰もが知っておいたほうが良い、基本事項です。
なお、なぜプリアンプのことを問題にしないのか、プリアンプが必要だろうと思われるかたは、D45のほうの説明を読まれてください。そちらに詳細に書いてあります。プリアンプというのは、プロは使いません。プロ用のプリアンプなどというものは、世界広しといえども、一つたりとも存在していません。ボロいものばかりですから、むしろ使わないことを薦めている次第です。iPodなど、音源からの直結、又は、プリアンプの代わりに、プロ用ミキサーの利用を、お勧めしています。
これは・・・、それほどまでに、D75Aの能力が高すぎると・・、そう考えてください。能力が高すぎるがゆえ、良い相棒が、プリアンプの世界には存在していないのです。
■ボリュームの付いていないパワーアンプ
ボリュームの付いていないパワーアンプにつきましては、「絶対に」避けてください。それは、「鬼門中の鬼門」です。
クラウンD75Aにも、D45にも、写真で分かります通り、フロント面に二つのチャンネルそれぞれのボリュームが付いています。これはパワーアンプとして当たり前のことです。必需品なのですから、当然です。
これにつきましては、
14)ボリュームがアンプから消えた日
として、その理由を記していますので、ご参考ください。
■少々の疑問
少々の疑問がありますので、ここに掲載しておきます。そのかたは、私がクラウンD45を扱いはじめる以前からの古いお客様で、当時、アムクロンD45(クラウンの日本向け)を、どこかで入手してくださいと、D45をお勧めしたかたです。そして、これは音を良くするときの、一種の「裏技」ですが、左チャンネルに一台、右チャンネルに一台あてがって、片チャンネルだけ使って、二台で鳴らすと音が良くなります。ステレオアンプとして使うと、左右の干渉が、アンプ内部で起きているはずですが、二台使いますと、それを避けることができます。このお客様は、当初は一台で鳴らしてみえたのですが、その後二台にされて、案の定、音が良くなり、非常に満足されていたかたです。そのかたの記述を紹介しておきます。
ただ、本当にCROWNブランドのD75Aなり、D45のほうが、アムクロンブランドより音がいいのかと聞かれますと、私はアムクロンとクラウンとの音の比較を厳密にした経験がないですから、これについては、こういう事も可能性としてはあるかもしれない、という程度に考えています。
また、このかたのように、二台使えば音は良くなりますが(モノラルブリッジにはせず、片チャンネルだけ使うほうが勝ります)、それ以前に、他の諸問題が山積みのケースが大半です。コストのかかることですから、一台で十分だと私は考えています。それよりは、電源やケーブル類、又は、「おもちゃ」ではなく、本物のスピーカー、ボロいCDプレーヤーなどではなく、iPodなど、そちらの方面に投資したほうが、激変して音は良くなります。
下記が、そのコメントです。
●古いお客さまからのコメント:
つい最近友人用のクラウンD45を購入した時です。作動確認もあって私のシステムで音を鳴らしたのですが、ケーブル長や、スピーカーのアッテネーターの位置を一切動かす必要な無かったのを思い出しました。そしてその時はクラウンは1つでもアムクロン2つと変わらない音が出るので、クラウンの方が音がいいのではと思ったくらいです。
つまり、ミリ以下でセッティングをとっている(スピーカーの)アッテネーターを動かす必要がないという時点で、慣らし運転など必要ないということが明白です。また、2年も使っている、しかも、ダブルで使っているアンプと同じ音に聞こえたのです。違和感などみじんに感じませんでしたし、慣らし運転のことなど思い浮かびすらしませんでした。
おそらく慣らしで音が変わったと感じた人のほとんどは、自分の耳がなれただけでしょう。もしくは知らずに再生環境が違っていた、という程度だと思います。所詮自宅だと周囲の騒音、部屋の電気の使用状況が毎日変わるものです。エージングなどと言っている時点でまだオーディオ地獄にいる証拠ですね。もっと素直な心で音に接するべきです。
注:)エージング・・、皆さんを、継続的に数十年以上に渡ってダマシ続け、この期に及んで、さらに煙に巻いている「諸悪の根源」たる大問題、これについては、下記に詳しく書いてあります。
8)エージング(鬼門)
クラウンD75A
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クラウンD75A、 オーディオには最高の性能を発揮するアンプです。プロ用アンプ、クラウンD75Aです。 |