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- アンプのダンピングファクター-


■スピーカーのインピーダンスと、アンプのダンピングファクターとの関係


 アンプのダンピングファクターは、アンプのW数ではなく、本当の力、つまりトルクみたいなものです。高域のダンピングファクターは、あまり重要ではありません。力など無くとも、ツィーターやドライバーのダイヤフラムくらいは駆動できます。

アンプは、低域のダンピングファクターに注目してください。大きなスピーカーを制御するには、アンプの低域のダンピングファクターがしっかりしている必要があります。一般的には、8Ωのスピーカーを利用する前提で、アンプのダンピングファクターの数字は記載されていると思います。クラウンD45ですと、8Ωスピーカーに対しては、低域の、400ヘルツ以下の帯域を駆動するダンピングファクター、つまり力は、400という数字です。これは、46センチのスピーカーですら容易に駆動できるアンプであることを意味しています。

さて、16Ωのスピーカーを利用した場合には、その400というダンピングファクターは、化けます。800になります。その代わり、出力が一般的には半分になります。25Wのアンプですと、12.5W程度に落ちます。クラウンD45にあっては、16Ωのスピーカーに接続しても、出力は20Wと、ほとんど落ちませんが、これは非常に例外的なケースです。アンプにダンピングファクターが800もあっても仕方がないと言われればそれまでですが、2Wしか必要のないほど能率の高いスピーカーに、25Wもあるというほうが、よほどに論外であり、全く現実的ではないです。

したがって、能率の高いスピーカーを利用されているかたの場合に限りますが、個人的には、W数が半分になろうとも、アンプのダンピングファクターを優先されて、16Ωのスピーカーにされたほうが良いような気がしています。しかし、実際にはクラウンD45の、低域のダンピングファクター400などという数字は化け物的であって、8Ωスピーカーに対しても十分の駆動力ですので、これについては、そういう計算もあると、記憶されておかれるだけでいいでしょう。

一般的には、民生用のアンプの低域のダンピングファクターは、100W、200Wのアンプでさえ、50程度しかありません。それでは、プロ用標準の38センチ口径のウーファーをしっかり駆動して、制御し切ることは、とうてい無理な相談です。

なお、4Ωのスピーカーを駆動するときには、400のダンピングファクターは、半分、200に落ちます。

 

 

■アンプのダンピングファクター2000、出力400W×2のアンプにつきまして


プロ用アンプには、ダンピングファクターが2000や3000のアンプさえあります。その用途は特殊です。ダンピングファクター2000のアンプの用途は、はっきりしています。3000人以上も収容できるコンサートホール用です。38センチウーファー、又は46センチウーファーのスピーカー、今ではインピーダンス8Ωの大型スピーカーが多いでしょう。それを直列に二個、並列に二個、合計四個を片チャンネルづつに接続して、左右合計8個なり、場合によっては16個すら接続して駆動する用途のものです。

そうやって片チャンネルに四個接続しますと、8Ωというインピーダンスを、維持できます。つまり、8Ω時に400W×2の定格出力のアンプであれば、一発のスピーカーにつき、100W放り込んで、片チャンネル合計4発、左右で8発を、全部同時に鳴らせることになります。そうしますと、一個のスピーカーにつき、アンプが放出出来るダンピングファクターは、500になります。そのためのダンピングファクター2000であって、用途が全く違うものです。アンプも適材適所であり、個人宅では、その種のアンプは過剰装備であり、良いわけがありません。そんなに大きなアンプは必要もありませんし、良い音を出そうとしても逆効果です。

これは事実ですが、長年にわたる「洗脳」というのは、容易に取り払えるものではありません。家庭で、実際にクラウンK1(コンサートホール用・350W×2,ダンピングファクター、3000)を使われたかたのコメントが入りましたので、ぜひ下記をクリックして、ご参照ください。馬鹿馬鹿しいにもほどがあるということが、どなたにも、理解できると思います。

クラウンK1コメント・32さんからのコメントがそれです。

以上、いろいろ書きましたが、大切なことは、インピーダンスが高いスピーカーだからといって、むやみに細いケーブルにはしないこと(スピーカーのインピーダンスの項目を参照してください)、ダンピングファクター2000や3000のアンプを使えば音が良くなるというものではないという、その二点です。

一般的には、インピーダンス8Ω、能率90dbから93dbあたりのスピーカーに、400ヘルツ以下の低域のダンピングファクターが、300から400あたりの、あらゆる角度から見て特性が非常に優れたアンプがあれば、音楽を良い音で聴くには最善の選択だと思います。アンプのW数は小さいほうが、クオリティーが圧倒して高いのです。

 



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これより先は、「お客様の声」とします。
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Aさんのコメント: ダンピングファクターについてのデタラメ!!


こんにちは、○○です。

自分のブログにコメントしてくれた人がいたのです。
サブ用のアンプを入れ替えたと書いたらこんなコメントがありました。



「自分の○○ュ○ェー○のP600とP500Lでダンピングが300と500です。
でもダンピングの差なんて殆ど解らないです。」


とても驚きました。
果たしてそんなことってあるものなんだろうか?

自分としては音の焦点なんか合っていなくてもよりもダイレクトに分かるだろうと感じていたものです。
低音のボワボワするかキレるか。特にライブ音源を再生すると一発で感じます。

この人がよく分かっていないのか?メーカーの公表値がおかしいのか?…それとも自分がおかしい?。
とりあえず「○○ュ○ェー○のP600とP500L」っていうのはバカでかい出力ですね。
そこらあたりにもそう言う要因はありそうですが…。

このコメントで特に自分の判断が変わるわけではないんですが、こんな見解が一般的なんでしょうか?

○○ ○○



プロケーブル注:)このAさんのブログに投稿されたかたが記述されているアンプの規格を調べてみました。そうしましたら、8Ωのスピーカーの場合、300W×2、4Ωのスピーカーの場合、500W×2、というような、そして価格は50万円から65万円というようなものでした。往年のオーディオの方法論、そのままという印象で、進歩が全く感じられませんでした。ダンピングファクターも、いかなる周波数においてのものなのかが、明記されていません、高周波でしたら、それくらいのダンピングファクターは、おおかたのアンプにあるのです。

実は、このレベルよりさらに上、それ以上のものを、クラウンで入手すれば、K2という機種で、8Ω時に、500W×500Wで、そのダンピングファクターは、3,000以上(10Hz〜400Hz)にも及びます。(10Hz~400Hzの低周波において3000あるのだと明記してある事に最大限の注意を払って下さい。)
そして、その定価は、34万円です。


この3000という数字は、コンサートホールで使うには、今はどうしても必要な当たり前の数字であることにも留意して下さい。自宅で38センチウーファー二個を鳴らすには、ダンピングファクターは、400あれば必要にして十分ですので、D45で十分ですが、武道館などのコンサートホールでは、さすがにそういうわけにはいきません。

むしろ、プロ用のアンプの場合には、ダンピングファクター150と書いてあっても、正味150ある筈ですので、38センチウーファーが駆動出来る可能性は大です。

一般的には、民生用アンプの場合、いくら出力が大きくても、ダンピングファクターは、50か60もあればいいところだと、聞いております。

クラウンD45のように、「低域の」ダンピングファクターが400もある民生用アンプというのは、一つたりとも、存在していないのです。

このように、何を基準にして、いかなる周波数帯域の場合のダンピングファクターなのかが明記されていないアンプの場合、必要以上に注意して、ちょうどいいくらいでしょう。








 

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アンプのダンピングファクター! その秘密 アンプを見る時に一番重要なのは、低域のダンピングファクターです。この知識はオーディオ界は長きに渡って隠しおおしてきたものです。
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