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★ビッグニュース!
コメントがここに一つだけ入りましたが、それがなんと、プロのスタジオさんです!
ぜひ下のほうのプロのかたのコメントをご一読ください。
■モニタースピーカーは、いつのまにやら、堕落してしまいました。
優れたモニタースピーカーが製造されなくなって、その代わりが出来るほどの優秀なモニタースピーカーが、その後、たったの一つも出てこなかったというのが、その原因です。
1950年代から60年代の、マイルス・デイビスの時代までさかのぼってみます。マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンが、レコーディング・スタジオでプレイバックされる音を聞いていた、そのモニタースピーカーは、アルテック(altec)612A(通称、銀箱)です。38センチ口径の604という型番のアルテックの同軸ユニットが入ったモニタースピーカーです。その612Aモニタースピーカーを設計開発したチームの中には、誰もが知る人物がいました。当時、アルテック(altec)社に勤めていた、JBLさん、James B.Lancingさんです。
アルテック社は、WE社、つまり、ウェスタン・エレクトリック社の技術部門が独立して出来たメーカーです。アルテック社内で往年のウェスタンエレクトリックの技術を勉強したJBLさんが、その後アルテック社を退職してから作ったメーカーがJBL社ですが、この話は本論からはずれます。
アルテックのチームとその一員だったJBLさんは、そのとき一点の曇りもない、完璧なスタジオモニタースピーカーを設計することに成功しました。それが、アルテック612Aという604という型番のユニットの入ったモニタースピーカーです。604ユニットは、38センチ口径です。モニタースピーカーには、38センチ口径のユニットが必要不可欠であったということです。
38センチというと、低音を思い浮かべるかたが多いと思います。それは大きな間違いであって、当時のモニタースピーカー用途の38センチという口径のユニットは、中域をしっかり出して、「生音と等身大の音」を出し、間違いのないミックスダウンをするためのモニタースピーカー、つまりそれが、38センチ口径のモニタースピーカーです。勿論、低周波も出す能力もありますので、低域以下の低周波数帯域のミックスダウンにも失敗はあり得ませんが、中域はそれ以上に重要です。中域再生のため、ウーファー部は1500ヘルツ、ボーカル帯域までをも、しっかり出す能力を持っています。
上記のアルテック612Aスタジオモニタースピーカー(銀箱)は、1940年代から使われはじめ、その後長年に渡って米国スタジオの標準となり、その後、日本国内も、それに習って、アルテック612A(銀箱)が標準となりました。米国のジャズのほとんど、その後のロックなども、アルテック612A(銀箱)をモニタースピーカーにしており、それが基準です。1970年代頃までは、米国では、それが続いていたものと思われます。
日本の音楽の黎明期は、それよりずっと遅れてスタートしています。アルテック612Aとそのユニット604のモニタースピーカーが標準になったのは、1960年代後半くらいからでしょうか。604Eか、604-8Gユニットくらいの時代からでしょう。アルテック612Aモニタースピーカーが使われていたのは、1980年代くらいまででしょう。
実は今でもマスタリングスタジオが使っているモニタースピーカーは、アルテック604ユニットであったりします。最終的には、今でもアルテック604をモニタースピーカーにして音を聞いて、マスターを作る段階で、スタジオの間違ったミックスを修正しているというのは、本当のことです。これはマスタリングスタジオにもよるものと思われますが、東京四ツ谷にある、多くのレコード会社が信頼しているマスタリングスタジオは、今もアルテック604がモニタースピーカーに入っていると、そのオーナーさんと仲の良いエンジニアのかたから聞いています。
その後のスタジオモニタースピーカーは、おそらくJBLに移行したものと思われます。別のメーカーも入っていたのかもしれませんが、そのあたりは、詳しくありません。
重要なことは、メインモニタースピーカーの信頼性が、アルテック612Aに比較して、低くなっていったのと併行して、YAMAHA NS10Mがスタジオに入っていったということです。当時、「ラジカセ」というものが、非常に多く使われるようになり、非常に多くの若者はじめ米国国民がラジカセで音楽を聴くようになっていました。NS10Mの役割は、当時、二つありました。
■YAMAHA NS10Mがモニタースピーカーとして使われた本当の理由
1)ラジカセで聞く人たちがいかなる音で聞くのかを、チェックするためです。
つまり、ラジカセの代表、それに近いものとして、割と素直な性質のYAMAHA NS10Mが、それ専用のモニタースピーカーとして選ばれたということです。これがNS10Mがスタジオに入っていった最たる理由です。
2)おおざっぱな音決めのためです。
卓の上に置いて、至近距離でミックスダウンするわけですから、今では二亜フィールドのモニタースピーカーと言われている、この手の使い方は、使いやすいのです。おおざっぱな定位などを最初に決めるため、NS10Mは「簡・易・的・な」モニタースピーカーとして使われました。もちろんNS10Mくらいのモニタースピーカーでは、信頼性が全くありませんので、最後には、ラージモニタースピーカー、ミドルモニタースピーカーなど、いろいろな種類のモニタースピーカーで検証して、音決めしていたものと思われます。
このあたりの時代で、モニタースピーカーを取り巻く環境が、すでに何かがおかしくなってきていることが分かります。というのは、1959年のマイルスやコルトレーンのジャズが、つまり、アルテック612Aモニタースピーカーでミックスダウンされた完璧な録音が、ラジカセでしっかり鳴らないなどということは、あり得ないことだからです。それが鳴らないのであれば、それはラジカセメーカーの責任なのですから、そんなことを、NS10Mなどをモニタースピーカーにしてまでチェックしていること自体、時間の無駄でしかなかったはずです。
モニタースピーカーの品質が落ちていき、メインモニタースピーカーを全面的に信頼できなくなってきていたからこそ、無意味なことでも、せざるを得なかったと言えます。
その後、さらにメインモニタースピーカーの信頼性は、時代とともに低くなっていき、ミドルモニタースピーカーにもろくなものがなくなってしまいました。というより、ミドルサイズには、最初からろくなモニタースピーカーは、一つたりとも、歴史上、登場していないのが実態です。
そして現代に至って、YAMAHA NS10Mだけが、無惨にもスタジオに取り残されてしまいました。役に立というが立つまいが、取り残されてしまった。だからNS10Mなどが(民生用のスピーカーに過ぎないものが)、モニタースピーカーなどと呼ばれていたのです。
■ミックスダウンの課程
自宅録音のかたも、プロのかたも、NS10Mをモニタースピーカーにしてのミックスダウン時には、次の課程を経ているはずです。
1)非常に録音の良い、優れたミックスダウンのイメージ、数枚のリファレンスCDの音が、頭の中にあります。理想とする録音です。それはおそらく数枚のCDでしょう。
2)そのリファレンスCDの音に近くなるように、モニタースピーカーの音を「目を凝らすように神経質に聞いて」、ミックスダウンしていきます。
3)プレイバックして、何度も聞き直し、良く分からなくなった時には、リファレンスCDを、そこでプレイバックしてみて、1枚で分からなければ、二枚のCDをプレイバックしてみて、ボロであろうがなかろうが、とにかくそこにあるモニタースピーカーを通して、どこがそれと違うのかを確認して、リファレンスCDの音に、時間をかけて似せていきます。
上記の方法を、NS10Mをモニタースピーカーに使う場合のミックスダウン時には、100%の確率で、取られていることと思います。頭の中は、音の足し算と引き算で埋め尽くされているはずで、そこにエネルギーの大半が吸い取られていきます。
その作業をしていること、しなければならないことこそ、そのモニタースピーカーが信頼できない品質のものである証拠です。
優れた本物のラージモニタースピーカーは、聞いた通りの音に録音されます。最も音楽が素晴らしく聞こえるようになる、まさにそのポイントに向かって録音するだけで、リファレンスの必要などありません。モニタースピーカーで聞いた通りの音が、マスターに刻まれていくからに他なりません。
また、NS10Mのように、爆音でミックスダウンする必要もありません。普通の音でプレイバックしたときにこそ、生音に近い等身大の音が出てきますから、全く無理がありません。等身大の生音という概念は、ミックスダウンには、非常に重要です。モニタースピーカーから「生音」が出ていれば、それイコール、完全に信用できるという、誰にでも分かる非常に単純なことです。ということは、NS10Mくらいのものではモニタースピーカーとは言えないということです。
そこにある音、人の存在、又は楽器の存在、音楽全体の存在が、よりいっそう気持ち悪いほどに生々しくなるように、さらに音楽が最も魅力的になるように、イコライジングしながらミックスダウンしていくだけです。
そして、その通りの生々しい信号が、マスターに刻まれていきます。それを再現しきれるオーディオ装置の有無などは、関係のないことで、間違いのないミックスダウンこそが最重要です。プロはどなたも最良のミックスダウンを望んでおられます。
ミックスダウン時の失敗や後悔、あそこはこうしておいたほうが良かったかな、というような、あとから来る迷いも、優れたモニタースピーカーさえあれば、一カ所もあり得ないミックスダウンになるであろうことは、プロのレコーディングエンジニアのかたならば、即座に理解されますでしょうし、作業が非常に早く、まったく合理的であることも、理解されますでしょう。
優れたラージモニタースピーカーが、早く出現することを願って止みません。プロのレコーディングエンジニアのかたは、集中力、気力等、並はずれて非常に優秀なかたがたばかりなのですが(今まで出会ってきたプロのかたは例外なくそうでした)、いかんせん、モニタースピーカーの環境が悪すぎます。一億五千万円もするニーブやスチューダーの卓(ミキサー)に、YAMAHA NS10Mしか接続されていないなどということは、異常事態です。
例えスタジオの経営側が、ラージモニタースピーカーは、これこれの46センチウーファーのものを壁に埋め込んで、背後からの反射をも防いでいる、これは米国のどこそこのメジャースタジオと同じであるなどと宣伝していたところで、レコーディングエンジニアのかたがた本人が、それらを全く信用できないものとして見限っており、全くあてにもせず、気分転換にしか使われていないようなことでは、それらは、ろくなモニタースピーカーではなく、使い慣れたNS10Mのほうがまだましだということで、今もNS10Mだけがスタジオに取り残されているのです。
■結論
「多くの人がラジカセだから、それにミックスダウンの音を合わせておこう。」又は、「多くの若者がiPODでイヤフォンで聞いているから、それに合わせてミックスダウンの音を合わせておこう。」
それは、非常に問題のある、「ムダ」、「ムラ」、「ムリ」、トヨタ生産方式で言えば、仕事の三大悪であり、絶対に許されない考え方です。
真のプロフェッショナルのかたは、今まで書いたことから、すでに理解されていることと思います。そのような考え方は、二流の考え方です。
プロフェッショナルは、責任を持って、徹底的に正確な信号をマスターに刻み込むこと、それが最高の仕事であり、最高の結果を生みます。
皆が使う音源、風潮に合わせるなどということは、どうでも良いことです。プロのかたは、100年後にも、その音源が最高の音源であって欲しいはずです。
そのときに使われているものがラジカセなのかiPodなのか、そんなことは分かりません。完璧なフラットが出るものを誰もが使う時代が来ているのかもしれません。そのような時代は来ていないかもしれませんが、そんなことはどうでも良いことです。
最高の録音を再現できないとしたら、それはラジカセ側の責任であい、iPod側の責任、未来の再生機材の責任であるということです。
レコード会社側の、二流の考え方に、プロのかたは妥協してはなりません。それでは二流の録音しかできません。
■さらに、上記の二流録音がもたらす結論を明確にしておきます。
徹底的に正確な信号を録音した一流の音源があるとします。かたや、iPodやラジカセに合わせた録音があるとします。両者をiPod、ラジカセで聞くとします。いづれが良い録音に聞こえるかは、明白なことです。
誰が聞いても前者を選びます。
これで、十分でしょう。
■注意点
アルテック612A(銀箱)というモニタースピーカーの名前、アルテック604ユニットというモニタースピーカー用のユニットの名前を出さざるを得ませんでした。素人のかた、オーディオのかたは、WEのフィールドスピーカーと同様、これにも近寄らないでください。これによって、いかに多くの熟練したオーディオマニアのかたが泥沼に陥ってしまわれたことか、それはまさしく吸血鬼のごとしです。一生涯かけてもセッティングできないかもしれない、非常に危険なプロの道具です。
セッティングしきれるのはプロだけと想像します。アルテック612Aというモニタースピーカーは、セッティングしきってこそ、はじめて上記のような、聞いた通りの録音がしていけるものであり、セッティングが不完全ですとかえって混乱してしまうことになります。あまりにも正確に信号を増幅してくるからこそ、一個のXLRプラグ、一本のケーブル、一個の電源プラグ、アンプ、卓などの選択ミス等、一つも許されません。もろにその間違いを出してきますので、その原因はプロのかたにしか皆目分からないはずですし、オーディオ用のプリアンプやパワーアンプくらいのものでは、とうてい鳴るものではありません。したがって、アルテック612A(銀箱)の本当の音、本当の能力は、オーディオ界では、オーナーであれオーディオ店であれ、ただの一人も知らないはずです。
趣味に使うには、あまりにも過酷で、かつ、デリケート過ぎる、本物中の本物のモニタースピーカーなのです。
オーディオは、プロのレコーディングとは違います。趣味です。趣味として割り切って、誰にでもお勧めできるモニタースピーカーは、能率90dBから93dBほどの、30センチか、38センチのウーファーのPA用スピーカーです。(EV(エレクトロボイス)のTX1152レベルになりますと、性能も高く信頼性も高いPA用スピーカーが、モニタースピーカーとして使える最高のものになります。)
低域のチェックには、38センチウーファーのスピーカーが必要不可欠なのですが、TX1152は、38センチウーファーものです。あら探しには、現代の小型のスモールスピーカーが必要です。それは、プロのスタジオさんなどに、どれがいいかを聞いて下さい。
アルテックは、A7、又はA5のほうが、よほどに安全な部類のものですが、アルテックA7にしたところで、過酷なことになるのは当然だという認識と覚悟がいります。これらもモニタースピーカーとして使えないことはありませんが、EV(エレクトロボイス)SX300や、TX1152などに比べますとモニタースピーカーとしては、クロスオーバー周波数の問題を抱えていますから、モニタースピーカーとしては、電源を良くした場合には、音の焦点の調整が難しいですから、非常に使いにくいです。アルテックA7につきましては、スピーカーの能率という項目でも、触れています。
■現代のモニタースピーカーにつきまして(2014/12/29記述)
現代は、デジタルレコーディング全盛の時代になりました。そして、アナログ時代より音が良いのではないかというほどのデジタルレコーディングすら可能になってまいりました。
それとともに、モニタースピーカーの環境も、やっと変わってきましたので、追加して、修正すべきところは、修正します。先の記述と合わせて読まれますと、「モニタースピーカー」の役割というものが、より理解出来るだろうと考えております。
ラジカセの全盛期の頃のスモールモニターというのは、ラジカセの音をスタジオで確認する為のものであった事は、前述した通りです。
しかし、現代のスモールモニターは、用途が全く違ってきています。現代のラージモニターでは、優れたものも出て来ております(目から火が出るほど高額ですが)が、そのような高額なものを買うまでもなく、用途は同じなのですから、EVのTX1152を、低域専用のモニタースピーカーにしたほうが十二分どころか、そちらのほうが用途に向いているくらいです。
しかし、TX1152も含めまして、それらのラージモニターで音楽を聞きますと、どれもこれも、欠点が隠れて、良く聞こえてしまうという、ラージモニターは、ほぼ例外なく、モニターとしては致命的な欠陥も、同時に持っています。スモールモニターも、プロが使えるレベルのものとなりますと、非常に高額です。
信頼性の高い、「パワードモニター」ですと、安いものでも、16センチウーファーもので、一個7万円、二個で、14万円から、15万円します。これで一番安価なものです。が、安価でも非常に高性能です。
それらの役割は以前の小型モニタースピーカーとは全く違っており、しかも、皆さんに縁のあるオーディオ用のものとは種類が全く違うものですので、決してオーディオ用のスピーカーをモニタースピーカーとしては、使わないで下さい。
(気を付けて下さい!!、オーディオ用と私が書いているスピーカーというのは、〇B〇の、モニタースピーカーという名前で売っているもの、一つ残らず、全てを含みます。〇&Wもそうです。それらは、単なるオーディオ用に過ぎません。モニターとウソをついているのは、より多く、販売したいだけの事です。)
何というおそろしいことを彼らはしているのでしょうか!
さて、話題を元に戻します。現代の、本物の、小型のモニタースピーカー(パワードモニター)、それらは、現代のデジタルレコーディングの「あら探し」に向いているものになります。
勿論、セッティングはきちんと出しておかなくてはなりません。完璧なフラットでないと、意味が無いのです。
そうしますと、それらのモニタースピーカー(パワードモニター)は、あらを探すのに、適切なものへと変貌します。そして、よりフラットなレコーディングが可能になるのです。
★このあたり、10Mの時代とは、全く意味が違ってきていますので、注意してください。
そして、超低域だけは、ラージモニターで確認するという、いわば、分担作業です。そういう方向へと、レコーディング環境も変化してきております。
あら探しも出来て、超低域の確認も同時に出来る38センチもののウーファーを備えたものが現代にもあれば一番いいのですが、その種のものは、残念ながら、一本だけで、200万円前後もします。二本で、消費税も込みで、ざっと400万円でしょう。その価格帯のものでは、採算の取れるプロのスタジオしか導入出来ないでしょう。
■最大注意事項:)パワードモニター(アンプ内蔵のモニタースピーカー)が、おそらく、共通して持っている特徴につきまして。
現代のモニタースピーカー(パワードモニター)は、あら探しに向いていると書きました。それは、壁コンセントに来ている、通常100Vで接続しておいて、おおむね、フラットにセッティング出来た場合です。
現代のスモールモニタースピーカーの9割までが、アンプ内蔵型、つまりは、パワードモニターと呼ばれるものであり、音の焦点のセッティングは、一見不可能に見えます。
ただ、抜け道があります。それらのスピーカーを使われる時には、他の機材には、ダウントランスやダウン&アイソレーションなど、優れた電源を出来るだけ使っておいて、パワードモニターだけを、壁コンセントに来ている、通常100Vから取ってあげて下さい。
それで、最善の録音環境が整うと思います。
が、おおむね!、おおむねではありますが、どのみちミックスダウンやマスタリングの作業というのは、メジャーレコード会社(ソニーミュージックや、エイベックスや、ヤマハなど)の仕事を請け負っているレベルのプロのエンジニアの力を借りなくては、うまくいく筈が無いほど、レベルの高い作業です。
ただレコーディングエンジニアというだけではダメです。現役で、ソニーやエイベックスなどの、メジャーレコード会社の仕事を請け負っているレベルのエンジニアか、専門の会社でないと、依頼しても満足するものは出来上がりません。
さてその際、出来るだけプロのエンジニアに任せる以前の段階で、優れた音源を作っておいたほうがいいのは、言うまでもありません。そのほうが、短い時間で、音楽が完成する、すなわち、コストが安くつくのです。
そして、音の濃さ、デジタルの濃さというのは、自宅でレコーディングする時にこそ、決まってしまうのです。
その時には、200Vからの、又はアイソレーション系の、良い電源を使い、デジタルロスを最小限にしなければ、音を濃くするチャンスは、いくらプロにその後任せても、もうやって来ないのです。
さらには、意外にも、プロのエンジニアは、音の濃さには全く無関心なケースが多いのです。ミックスダウン、マスタリングにおいてはプロですが、音の濃さや、音の焦点については、素人さんなんです。
ということは、絶対に(絶対に!!)、録音ルートだけは、パワードモニターを使ったとしても(パワードモニターは壁コンセントの100Vから取ってください)、他の録音機材全て(録音ルート)には、200Vからのダウン&アイソレーション級の、非常に良い電源を使ってあげて下さい。
つまり、ラージもスモールも、最善の「濃い音」の録音には、「録音ルート」だけは、必ず最善の電源を使って下さい、ということです。
注:)パワードモニターの場合には、モニタールートには、そこまで良い電源を使ってはいけません。録音結果の音の濃さには、関係の無い部分でもあります。録音ルートと、モニタールート、この違いは、素人さんでも理解出来る筈の事ですので、決して混同しないで下さい。そして、理論を、理解してください。この程度の事が理解出来ないのであれば、自宅レコーディングは最初から無理です。
モニターしている音が薄いからといって、録音されている音が薄いとは限らないでしょう。この基本だけは、必ず理解してください。そして、あら探しの出来るパワードモニターを使って下さい。
ダウン&アイソレーション級の電源は、あくまでも、録音ルート、そして、モニタールートには、通常100V。それで、完璧です。音も非常に濃い音で録音されます。でないと音の焦点が、キンキンになってしまって、せっかくの良質なパワードモニターが、使えなくなります。
その際、モニタールートへの電源は、何でもいい、というよりは、壁コンセントから取った100Vのほうが、パワードモニターには向いている、と、しておきます。
パワードモニターは、アンプ内蔵です。要するに、わざと、内蔵アンプには、100V電源を、送ってやって、音の焦点が普通になるように、取りはからって下さい、ということです。そうするだけで、音の焦点が一発で決まりますし、音源が濃いので、モニター環境に狂いが生じる事もあり得ません。目的が録音だから、これは成立することです。
オーディオの場合には、すべての電源を、ダウン&アイソレーションから取るのが理想ですが、これはレコーディングです。オーディオとレコーディングは別物です。ただし、録音ルートは、何度も書きますが、デジタルが欠落してはいけませんので、すべて、ダウン&アイソレーション級の電源から取ってあげてください。
■要点をまとめます。
自宅録音のかたは注意してください。本当に良いレコーディングをしようと思ったら・・・、
最後は凄くハイレベルなプロの力が必要であるということと、モニタースピーカーには、プロ用、つまり、あら探しに向いている、プロ用のパワードモニターを、壁コンセントの通常100Vから取っていただくということ、他の機材は、予算が許す限り、最高の電源(理想は、200Vのダウン&アイソレーション級のトランスなど)から電気を取るということ、そのあたりが、濃密な音で録音出来て、さらには、モニターで躓かないコツです。
そして間違ってもオーディオ用のスピーカーだけは、モニター用として使ってはならないことだけは、しっかりと、記憶しておいて下さい。特に、〇B〇や、B〇Wなどのモニター(と名乗っているスピーカー)では、全くダメですので、その点は注意してください。
現代の本物のプロ用のパワードモニターは、非常にマニアックなものです。
プロケーブル注:)ただし、これは録音用、マスタリング用ですので、オーディオのかたが入手しても、つまらない音だと思うだけでしょう。オーディオのかたは、安易に、入手しないで下さい。
★小型パワードモニターの機種を具体的に知りたいかたは、メールか、お電話などで問い合わせ下さい。日本では、それは到底作れるものではありませんので、日本製は見限って下さい。パワードモニターも、日本製には、要注意です。
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これより先は、「お客様の声」とします。
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プロのスタジオさんからコメントをいただきました!
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Music Well Studio さんのコメント: モニターの音はどうあるべきなのか!!
Subject: 導入感想をお送りいたします。
PRO CABLE さま
お世話になります。
御社より、スター電器 3000W ダウントランス コンセント16個バージョンと
シールド電源ケーブルを購入させて頂きました、
大阪のMusic Well studio の○○○○と申します。
御社の多くのお客様が感想をお送りされていますので、僕もお役に立てれば
と思いメールさせて頂きます。
接地工事が終了いたしました。
A種棒を2本連結しました。この時点で抵抗値が13Ω出ていましたので、
これで完了としました。
今回の電源廻りのリニューアル前は、○○○製100Vの大型アイソレーションレギュ
レーターにて整流し、その後に○○○製 ○○○-1500(コンディショナー) を配し
て使用しておりました。
そして今回、音に直接関わる機器には、スター電器 3000W ダウントランス に
マリンコシアターモデルを配して直接接続しました。(○○○-1500はキャンセルです)
結果、音場がとても大きく感じられ、今までに聴いた事のないダイナミクス豊富
な出音です。
これがノイズレベルの下がった事のみで得られる“音”なのかと疑問に思う程です。
私は常に “フラット” な音環境を切望し、そこを追究する事がリスナーの皆様に
対しての責任だと日々考えております。
目指すは良いものと悪いものをしっかり聴き分ける事が出来るフラットな環境です。
その様な着色のない環境での制作を可能にしないと最終アウトプット(流通商品)時
点では大変な事になります。
制作初期段階で少しでもピーキーなものが出来上がってしまうと、その後段階での
作業で段々としわ寄せが積み重なり、ごまかしごまかしで最終的にはろくなものに
はなりません。
制作スタジオに求められるのは限りなくフラットな音響環境です。
決して良い音も悪い音も『立派な音にしてしまう再生環境』ではありません。
Studioで自然に出来た“音の印象”がどの様な再生環境(ヘッドフォン、ラジカセ、
カーステ、喫茶店の天井スピーカーそして高級オーディオ等)においても“同じ印象”
で聴く事が出来れば、制作環境としては最高の状態と言えます。
歴史的に、あまり良い環境で制作出来なかった頃に“エンジニアの勘”というものが
生まれ、そしてそれが重要視されてきた気がします。
フラットな再生環境では無いため“見越”の技術が必要だったんですね。
なんとも恐ろしいですね。
“音”が解りにくければ、音楽制作は大変困難になります。
今、目の前では今までに感じた事の無い“素晴しい音”が鳴っております。
しかし、それだけではありません。
制作段階では各トラックに色々な補正処理を施します。その中にEQ処理や音圧処理
があります。
リニューアル後、特にEQ処理には大きな変化が出てます。
パラメーターを動かす幅が大幅に減少しました。変化がとても良く見えるからです。
処理後のEQカーブを見ても今までの様に大きくはなりません。なだらかで微妙な曲
線です。
“自然に聴こえるまま”で、何の見越も必要なく作業出来ています。
不安になるくらい。。。(笑)
これで大正解なのだと思います。
大きく変化させる事はピークを生みます。
振り返って、今までどれだけピーキーなものを創って来たのかと思うとゾッとします。
音をCD-Rに納め、いつもの様に色々な再生環境で聴いてみました。
実験です。ここが私にとって “肝” となります。 ドキドキです。
その結果は . . . 凄い!! ニュアンスは変わりません!
(勿論、再生環境によって迫力等は違いますが…)
今まで苦労して何度も何度も色々な環境で聴いては直し聴いては直ししていたものが、
一発でOKレベルに到達出来ました。
これは本当に素晴しく嬉しい限りです。
驚いたことに気が付けばなんと位相感までも改善されてしまってます!
モニター環境にまで影響が出るとは。。。
電源を“まとも”にする事は本当に万能薬の如く色々な恵みが与えられるのですね。
本当に驚きです。
また、今度は“音の焦点合わせ”も行いたいと思います。(とても大事そうですね)
以上が現時点での導入感想となります。
最後になりましたが、
この環境を手に入れる切っ掛けをご提示頂いたProCable様には心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。
(長文、乱文失礼いたしました。)
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
Music Well Studio
代表 ○○ ○○
○○○-○○○○-○○○○
http://www.musicwell.jp
プロケーブル注:)このスタジオさんにいただきましたコメントは、基本的には電源への
コメントだったのですが、それで収まり切らないほどに内容の濃いものでしたので、こち
らに掲載させていただきました。なお、コメントをいただきましたのは、2008年頃で
したので、今は、Music Well Studioさんも、全く違うモニタースピーカーの環境になってお
り、(モニタースピーカーが急速に進化しましたので)、当時とは、雲泥の違いのモニター
スピーカーの環境ではないかと思います。
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モニタースピーカーとヤマハ NS10M |
モニタースピーカーは、いつの間にか堕落してしまいました。パワードモニタースピーカーやNS10Mなどという使いものにならないモニタースピーカーが全盛です。 |
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