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- バランス転送(伝送)・その実態(要注意・鬼門)-


 

■バランス転送(伝送)、XLRプラグの付いている機材は、信用できるのでしょうか?

 

バランス転送(伝送)には、XLRプラグを使います。XLRプラグが付いている機材だから、バランス転送(伝送)かと言いますと、そうとは限らないというのが、多くのかたがご存じない、驚くべき実態です。

バランス転送(伝送)は、普通は、2番から+電流を出し、3番から-電流を出します。1番はアースです。

2番ピンの+電流と3番ピンの-電流がノイズを打ち消し合うという仕組みこそが、バランス転送(伝送)であり・・・、であるからして、バランス転送(伝送)にはノイズが乗りにくいわけですが、

バランスプラグの有無は、バランス転送(伝送)であるか否かには、必ずしも関係ない!

というのが、本当のところです。

RCAプラグによるアンバランス転送(伝送)は、+電流とアースだけで、音を伝えます。

つまり、例えプラグがXLRでも、3番ピンが死んでいて、何も役に立っておらず、2番ピンからしか信号が出ていなかった場合、それはRCAアンバランス転送(伝送)と、全く同じ条件になります。

驚くなかれ、この手合いの機材は、本当に多いのです。

 

注:)これはRCAかバランスか、いづれが音が良いのかという問題ではありません。

RCA転送(伝送)も家庭での使用、つまり近距離使用では全く悪くないどころか、機材さえ良ければ、非常に良いのです。

XLRは、プロ用であることからして、長距離転送にも耐える仕様です。
ですので、RCA、アンバランス転送(伝送)そのものは信用されて、自信を持ってお使いください。

問題はメーカーの技術力です。技術力さえあれば、RCAも素晴らしい音になります。
この点、XLRであろうがRCAであろうが、あまり気にすることはないと言えます。

 

 

■問題の焦点

問題の焦点は、コストのかかるXLRバランス転送(伝送)の回路を装備しているフリをし、実際には省いていて、誤魔化していたメーカーはどこなのだ! 

という問題に絞られます。

 

 

★なぜそんな変な事になっていってしまったのか、分かりやすく記述します。

「バランス端子を、付けておいてやれ。」

「RCA端子と、もう一系統、XLR端子を付けておいてやれ。」

「それだけで、買う人は喜ぶぞ。5万円の機材が、30万円の機材に化けるぞ。」

 

馬鹿馬鹿しい限りです。実に馬鹿馬鹿しい。

実態は、そんなところです。

 

 

■「バランス端子装備」と、「バランス回路装備」とでは、全く意味が違います。

メーカーに、自分の機材について問い合わされたお客様が、メーカーの技術者から聞かれた話は、下記のようなものでした。
その機材は、残念ながら、3番ピンの死んでいる、RCA、アンバランス転送(伝送)と同等のものでした。

「1990年代の機材には、特にそれ(単なるダミー)が多かったようです。各メーカーが、それをしていました。」

上記の言葉は、驚くなかれ、大手メーカーの、技術者の言葉、そのままの引用です。

バランス端子のみ装備してあって、バランス回路ではなかったという「最悪」の「笑い話」です。

いや、買われたかたにとっては「笑い話」では済まないかもしれません。それは「猛毒」なのかもしれません。

 

1990年代の機材が全てそうだったのかどうかは、知りません。今も、その種の機材があるのか否かも分かりません。これについては、メーカーに、直接問い合わせてください。

プロ用機材に限っては、そんなことは、まず考えられません。民生用機材、つまり、「オーディオ界」における機材だけが、特にそういうことをしていたのだと、想像しています。

 

万が一、この種の手抜きが、オーディオではなく、車だったらと考えられると、起きていることの実態が分かりやすくなります。車の場合は人命に関わります。死人が出ます。

某自動車会社のように、それは犯罪となり幹部全員の逮捕劇に至ります。オーディオは人命には全く関わっていませんから、何でも許されてしまいます。だからこそ大事に至らないだけで、やっていることのモラルの低さ、その程度は、某自動車会社の逮捕劇と、全く同レベルです。

大手の、特に上場企業ほどのメーカーならば、それが単なるオーディオであれ、社会的に最低限のモラルを維持するのは、当然の義務です。義務を放棄してしまったメーカーの商品ならば、誰もいらないでしょう。

 

 

■もう一つの、XLRバランス転送(伝送)の大問題

多くのプロ用機材のバランス転送(伝送)は、2番ホット、3番コールドです。
これは歴史的に、ほんのわずかな例外を除いては、米国も英国もドイツも、世界中が、プロ用機材は、2番ホット、3番コールドでしたし、今もそうです。

オーディオのさきがけは、勿論、プロ用機材からです。

当時、音というものを記録して将来に残すということは、一種の国家事業に近いものであり、文明の最先端事業であり、今でいうと宇宙開発に近い事業でしたから、WE(ウェスタン・エレクトリック)などという、とんでもない化け物メーカー、ノーベル賞受賞学者を10人も抱えているようなメーカーすら、国家的に存在していたわけです。

その後継の、アルテック社(米国)あたり、つまり、1940年代、50年代あたりからして、すでに2番ホット、3番コールドでした。


その後の、ニーブ社(米国)も、英国のSSL社も、クラウン社(米国)も、ハフラー社(米国・買収されたアンプメーカー)も、アレン&ヒース社(イギリス)も、スチューダー社(スイス)も、thomann社(ドイツ)も、米国、英国、世界中、関係なく、ほとんど例外なく、2番ホット、3番コールドです。

ただし、少々の例外はありました。1950年代の米国のアンペックス社だけは、例外で3番ホットだったと聞いています。

同じく米国のUREI社にも3番ホットものがあったようです。しかし、UREI社のものは、出し入れする機材が多かった為(入力と出力が両方とも3番ホットであれば、逆が逆になりますから正になります)、2番ホットものの機材やケーブルが、そのまま接続出来たという背景が、実はありました。

気をつけなくてはならないのは、UREI社のアンプですが、UREI社のアンプは、まだトランジスタ技術が熟成していない頃のものである為、フラットなものではないゆえ、わざわざ使う必要はないでしょう。それがフラットだと信じたら最後、オーディオの魔性の世界に、これもまた、ひきづり込まれますので、これは記憶しておいて下さい。UREIだから、何でもかんでも良いというわけではないのです。

さらに言えば、当時の古い、UREIの1620というプリアンプと合わせて、初めてUREIのアンプはフラットになる可能性があります。

現代機材は、個々にフラットを保証しているものが多いですが、UREI社は、プリアンプとパワーアンプを足して、フラットになる、というような事をしていたのです。

という事は、UREI社のアンプは、現代では、DJさんが、オールドの1620とコンビで使うくらいしか用途がなく、一般プロ用途としては、全く使いものにならないということを意味しています。

早い話が、クラウンや、thomannのアンプのほうが、数段良いのです。

こういう事を書いていると、またしても外野からヤジが飛んできそうではありますが、実は、UREI社のアンプくらいのものは、私はとうの昔に、実験済みです。それの、現代のプロ用アンプに比べての、あまりものお粗末さには、実験した時、唖然として言葉が出ませんでした。

それくらいのものだと、知っておいて下さい。鳴らすには、後は一つしか手はありません。同じくUREI社のオールドの1620というプリアンプをもって来るという手しかありませんが(これもやってみないと不明ではありますが)、私自身は、個々にフラットを保証する、ハイレベルの機材しか、もはや認めてはいませんでしたから、欲しいというかたに、すぐに、お譲りしております(勿論、1620と組み合わせないとフラットが出ない可能性がありますと、警告したうえで譲っております)。

いづれにしましても、最近では、ほとんどが歴史的に2番ホットなのだから、世界中2番ホットに統一してしまおうという動きになっています。

したがって、プロ用機材に限っては、米国は3番ホット、ヨーロッパは2番ホットなどという「噂」は、単なる「噂」であり、わずかな例外を除いては、ほとんどが、意図的に流布されている事である場合が多いです。

 

 

■現代の民生用機材の3番ホットについて

これは、分かりません。3番ホットにしなくてはならない理由など、今や、一つたりともないのです。

いや、実はあるのかもしれません。読まれたかたは、理由について想像してみてください。

ろくな理由は、一つたりとも、思いつかないはずです。

 

 

■現在

現在でも、民生用メーカーのカタログや説明書には、「アメリカ式の3番ホット仕様」などと書かれていたりするそうです。それはそれで、音が出ないわけではありませんから、買う側さえ納得していれば、問題はありません。ただ、アメリカ式の3番ホットという記述には、首をかしげたくなるかたも、多いだろうと想像します。

プリアンプの、3番ホットのものを買うとします。すると、パワーアンプも、3番ホットのものを買う必要が出てきます。それに合わせて、3番ホット用のバランスケーブルさえ、純正で買わなくてはならないかもしれません。

いや、3番ホット同士ならば、通常のバランスケーブルで大丈夫ですが、それを知らなければ、惑わされてしまいます。

メーカー側の単なる、お客様の囲い込みの戦術なのでしょうか。

それとも、プロ用機材との互換性を、避けておきたい理由でもあるのでしょうか。

 

 

■プロ用規格、+4dB以上の出力のバランス転送(伝送)について

+4dBという規格が、プロ用の機材で統一されている規格です。その規格を外して、さらに大きな信号によって転送している場合もあるようです。これしかし、優れたプロ用機材をみつけたとして、それが欲しいと思った場合、途端に互換性を無くしてしまいます。

プロ用パワーアンプは、+4dB出力を受ける規格です。そこに、それ以上の入力を入れてしまうと、パワーアンプ側のボリュームが、あまり上げられないということになってしまいます。入力が大きすぎて、音が歪むということもあり得ます。その点では、RCAからバランスに入れるほうは、安全と言えます。

実に良く分からない記述が多過ぎるのです。カタログなどを見てみても、ボルト表示であったりして、人を煙に巻いてしまうような、実態の良く分からないことをしているという印象さえ、あります。

世界の規格は、「+4dB、2番ホット、3番コールド」であると、しっかりご記憶ください。

 

 

■単純な問題

WE(ウェスタン・エレクトリック)時代、アルテック時代に、ノーベル賞級の学者達によって、厳密に検証されて規格された、あらゆる角度から見てこれがライン信号の転送(伝送)にはベストという、きちんとした昔からの規格があるのですから、問題は単純です。

そのベストの中のベストの規格、歴史的スタンダードに合わせるのが、最も優れていて、無難なはずです。

勝手にあれこれ、素人レベルに毛が生えた程度の技術者が考えても、ろくな事になろうはずがありましょうか。

アルテックのように、スチューダーのように、クラウンのように、それらと同じ規格で製造すれば、事は足りる、それで済むというだけの、非常に単純な問題に過ぎません。

 

 

★バランス転送(伝送)ものの機材を入手される折には、2番ホット、3番コールドと、はっきり記述してあるものであり、同時に、+4dBの入出力と、はっきり記述してあるものが、最も無難だと、思います。

オーディオ業界の、実にいい加減な実態からして、個人的には、そう感じています。

たとえ将来的にだったとしても、互換性に問題の出そうなものを、非常な高額で売りつけられるのは、
誰一人として歓迎はしないであろうし、喜ばしいことであろう筈がありません。

ただ、買われる側が、ダミーのバランスプラグに過ぎないことを納得していて買うのであれば、又は3番ホット、2番コールドものも、その性能が良いからと、そのメリットを納得していて買われるのであれば(それらの99%以上が酷くボロいものとしか私には認識できませんが)、それは仕方のないことです。

我々は、いづれを選ぶも、自由です。





■要注意事項

実に不審なことが起きていましたので、ここに書いておきます。

当 サイトで推薦させていただいているスピーカーを買われたお客様が、音の焦点の調整に取り組まれました。そして、ベルデン8470の2.5mと、VVFの 15mだったか、その違い、善し悪しが、全く分からないと言われました。

そのかたはバランスケーブルでCDPからD45アンプへの、直結でした。D45と EV(エレクトロボイス)、
それで分からないはずがないのです。そのようなことは、「確・率・ゼ・ロ」の比率で、あり得ない話です。

当初は3番ホットの間違いではないかと思われたのですが、そうではなく、その機種は2番ホット、3番コールドでした。すなわち、その30万円以上もする CDPのバランス回路など、ゴミ同然のもので、単なる「お飾りもの」に過ぎなかったのです。周波数特性が、いや、おそらくあらゆる特性という特性が、ゆが みきっており、「むちゃくちゃ」なものです。

結局、最後には、RCAから変換ケーブルでD45に入れていただ いて、やっとのことで解決をみて、
皆さんのように焦点合わせが出来る状態に、とうとう復帰された次第です。

こればかりは相談されても原因が分からず悩んだ 次第ですが、当人様の悩みは数十倍も深く苦しいものだったと想像します。そしてそのCDPは、国内有名メーカーの製品だったと、証言します。

この種のことにつきましては、

このページの上部に詳しく記述してありますが、それでは、2番ホット、3番コールド、そして、+4dB出力ならば信用できるのかという課題が、浮かび上がってしまいまし た。その機種は、実にそのスペックだったのです。

一体全体、ゴミで、いくらの金銭を騙し取りたいのか、彼等はどういう「危険な領域」に手を伸ばしはじめてしまったのか、改めて驚きを隠せませんでしたし、同時に、その存在の危うさも、痛感してしまった次第です。いや、そのような認識は、彼等にはないのかもし れません。「技術の全くないメーカー」というだけなのかもしれません。

音源につきましては、このように、どうせ「お飾りもの」と「デザイン」だけで、5万円のCDPを30万円の「高級CDP?」に化けさせているだけなのですから、中古で1万円か2万円程度で買え るCDPで十分と言えます。

ただしCDPはエラー訂正が全く効いていないのですから、中古の場合、読み取りレンズの清掃くらいはしないといけません。

でなければ、iPod、又は、パソコン出力です。

 

 

■不審事項・追記致します。

上 記のことと全く同様、バランス端子からの音で、焦点が全く合わせられないという現象が、同一メーカーの、さらに高額な(70万円)CDプレーヤーで、別の かたにも起きていました。またしてもRCA端子から音を取ってくださいと、同様のアドバイスを必要としました。

これではきりがありません。当事者だけには 分かるようにしておきます。

社名、正式名称の公開まではできませんが、カタカナで○○○○ッ○というブランド名です。
ご自分でお使いのかたは文字数で分かるでしょう。

その場合、「音の焦点合わせ」という価値観に限っての事ではありますが、バランス出力はゴミです。
捨ててください。必ずRCA端子から、音を 取ってください。

ただし、そのバランス出力からの、ゆがんだ音が好きなのであれば、それはそれでいいでしょう。

 

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3番ホットの機材もケーブルも鬼門です
3番ホットのバランスケーブルや機材は鬼門です。使わないほうがましだと断言できます。プロ用標準は2番ホットです。

 

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