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お客様の声


Aさんのコメント:パワードモニタースピーカー

先日、アナログケーブル各種を注文させて頂いた○○と申します。

パワードモニタースピーカーが鬼門であるという件、ほとほと実感しております..
と、言いますのも自宅のヤマハ民生用のアンプ、スピーカーで、「民生用だし効果無いかもなあ」と思いつつ音の焦点合わせを行ってみたところ、多大なる変化があった為です。

普通の赤黒ケーブルなのですが、元の状態が左右の長さが違う様な有様でしたので、激変して然るべきなのかもしれませんね。
一度音がシャープ過ぎるところまで切ってしまったのですが、その後2センチ程繋ぎ足し、結局元の長さの半分くらいで、焦点かな?と思うポイントを見つけた次第です。

しかしこれは凄いですね。所持音源が全て新曲であるかの様です。現状ではこちらがメインモニタースピーカーになってしまいました。
 

プロケーブル注:)パワードモニタースピーカーは、「音の焦点」が合わせられないことから、今までは否定的な事を書いてきましたが、いくら電源を良くしていっても、パワードモニターだけを、通常100Vから電源を取れば、問題なく使える事が判明致しましたので、鬼門ではないとします。アンプ内蔵のパワードモニタースピーカーは、それだけを通常100Vから電源を取れば、使えます。

これはレコーディングで、濃い音を録音しなくてはならないデジタルの部分には、まったく関与していません。単にモニターするだけですので、問題なしとしておきます。




- モニタースピーカーの堕落-


 

★ビッグニュース!

コメントがここに一つだけ入りましたが、それがなんと、プロのスタジオさんです!
ぜひ下のほうのプロのかたのコメントをご一読ください。

■モニタースピーカーは、堕落していた時期が長く続きましたが、最近になって優れたモニタースピーカーが登場してきました。堕落していた頃のものは入手しないで下さい。


優れたモニタースピーカーが製造されなくなって、その代わりが出来るほどの優秀なモニタースピーカーが、長らく一つも出てこなかった時期が長く続いていました。

1950年代から60年代の、マイルス・デイビスの時代までさかのぼってみます。マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンが、レコーディング・スタジオでプレイバックされる音を聞いていた、そのモニタースピーカーは、アルテック(altec)612A(通称、銀箱)です。38センチ口径の604という型番のアルテックの同軸ユニットが入ったモニタースピーカーです。その612Aモニタースピーカーを設計開発したチームの中には、誰もが知る人物がいました。当時、アルテック(altec)社に勤めていた、JBLさん、James B.Lancingさんです。

アルテック社は、WE社、つまり、ウェスタン・エレクトリック社の技術部門が独立して出来たメーカーです。アルテック社内で往年のウェスタンエレクトリックの技術を勉強したJBLさんが、その後アルテック社を退職してから作ったメーカーがJBL社ですが、この話は本論からはずれます。本論からは外れますが、JBLという名前があまりにも有名なせいで、JBLなら何でもいい!というような安易なオーディオを趣味にする人が、JBLをあがめている事が大問題です。彼らは一様に、ダメな機種ばかり買っており、泥沼から泥沼へと、永遠に続く旅路の中にあります。JBLの民生用を使えば、そうなります。JBLには、プロ用部門もありますので、そこを良く考えて下さい。

さて、話を戻します。アルテックのチームとその一員だったJBLさんは、そのとき一点の曇りもない、完璧なスタジオモニタースピーカーを設計することに成功しました。それが、アルテック612Aという604という型番のユニットの入ったモニタースピーカーです。604ユニットは、38センチ口径です。モニタースピーカーには、38センチ口径のユニットが必要不可欠であったということです。

38センチというと、低音を思い浮かべるかたが多いと思います。それは大きな間違いであって、当時のモニタースピーカー用途の38センチという口径のユニットは、中域をしっかり出して、「生音と等身大の音」を出し、間違いのないミックスダウンをするためのモニタースピーカー、つまりそれが、38センチ口径のモニタースピーカーでなくてはならなかった理由です。勿論、低周波も出す能力もありますので、低域以下の低周波数帯域のミックスダウンにも失敗はあり得ませんが、中域はそれ以上に重要です。中域再生のため、ウーファー部は1500ヘルツ、ボーカル帯域までをも、しっかり出す能力を持っています。

上記のアルテック612Aスタジオモニタースピーカー(銀箱)は、1940年代から使われはじめ、その後長年に渡って米国スタジオの標準となり、その後、日本国内も、それに習って、アルテック612A(銀箱)が標準となりました。米国のジャズのほとんど、その後のロックなども、アルテック612A(銀箱)をモニタースピーカーにしており、それが基準です。1970年代頃までは、米国では、それが続いていたものと思われます。

日本の音楽の黎明期は、それよりずっと遅れてスタートしています。アルテック612Aとそのユニット604のモニタースピーカーが標準になったのは、1960年代後半くらいからでしょうか。604Eか、604-8Gユニットくらいの時代からでしょう。アルテック612Aモニタースピーカーが使われていたのは、1980年代くらいまででしょう。

実は今でもマスタリングスタジオが使っているモニタースピーカーは、アルテック604ユニットであったりする事もありますが、かなり古くなってきている事と、アルテック社がユニットを製造しなくなってから久しく、補修パーツが無いという問題もあって、今では、新しい優れた小型モニタースピーカーが、やっとですが、数種類です。登場してきたという経緯があります。

しかしながら、今でもアルテック604をモニタースピーカーにして音を聞いて、マスターを作る段階で、スタジオの間違ったミックスを修正しているマスタリングスタジオも残っているというのは、本当のことです。これはマスタリングスタジオにもよるものと思われますが、東京四ツ谷にある、多くのレコード会社が信頼しているマスタリングスタジオは、今もアルテック604がモニタースピーカーに入っていると、そのオーナーさんと仲の良いエンジニアのかたから、5年前くらいですが、聞きました。

その後のスタジオモニタースピーカーは、おそらくJBLに移行したものと思われます。JBLのモニターは、信用できるものが一つも無いにも関わらずです。JBLさんが造った、まともなモニターは、アルテック時代に手がけた、アルテック612ア(通称・銀箱)だけです。別のメーカーも入っていたのかもしれませんが、まともなものが、他社にも、ただの一つも無かったのです。

重要なことは、メインモニタースピーカーの信頼性が、アルテック612Aに比較して、低くなっていったのと併行して、YAMAHA NS10Mがスタジオに入っていったということです。当時、「ラジカセ」というものが、非常に多く使われるようになり、非常に多くの若者はじめ米国国民がラジカセで音楽を聴くようになっていました。NS10Mの役割は、当時、二つありました。

 

■YAMAHA NS10Mがモニタースピーカーとして使われた本当の理由


1)ラジカセで聞く人たちがいかなる音で聞くのかを、チェックするためです。

つまり、ラジカセの代表、それに近いものとして、割と素直な性質のYAMAHA NS10Mが、それ専用のモニタースピーカーとして選ばれたということです。これがNS10Mがスタジオに入っていった最たる理由です。

2)おおざっぱな音決めのためです。

卓の上に置いて、至近距離でミックスダウンするわけですから、今では二アフィールドのモニタースピーカーと言われている、この手のモニターは、使いやすいのです。おおざっぱな定位などを最初に決めるため、NS10Mは「簡・易・的・な」モニタースピーカーとして使われました。もちろんNS10Mくらいのモニタースピーカーでは、信頼性がありませんので、最後には、ラージモニタースピーカー、ミドルモニタースピーカーなど、いろいろな種類のモニタースピーカーで検証して、音決めしていたものと思われます。

このあたりの時代で、モニタースピーカーを取り巻く環境が、すでに何かがおかしくなってきていることが分かります。というのは、1959年のマイルスやコルトレーンのジャズが、つまり、アルテック612Aモニタースピーカーでミックスダウンされた完璧な録音が、ラジカセでしっかり鳴らないなどということは、あり得ないことだからです。それが鳴らないのであれば、それはラジカセメーカーの責任なのですから、それにも関わらず、NS10Mにモニタースピーカーの仕事をさせていたという事自体、別の数種類のモニターでのチェックも必要となるがゆえ、時間の無駄でしかなかったはずです。

モニタースピーカーの品質が落ちていき、メインモニタースピーカーを全面的に信頼できなくなってきていたからこそ、無意味なことでも、せざるを得なかったと言えます。

その後、さらにメインモニタースピーカーの信頼性は、時代とともに低くなっていき、ミドルモニタースピーカーにもろくなものがなくなってしまいました。というより、ミドルサイズには、最初からろくなモニタースピーカーは、一つたりとも、歴史上、登場していないのが実態です。

そして現代に至って、YAMAHA NS10Mだけが、無惨にもスタジオに取り残されてしまいました。役に立というが立つまいが、取り残されてしまった。だからNS10Mなどが(民生用のスピーカーに過ぎないものが)、モニタースピーカーなどと呼ばれていたのです。

しかし、歴史は変化します。1990年頃くらいからでしょうか。そのあたりから、ジェネリックというメーカーがモニタースピーカーを出してきました。当初の信頼性は、十分ではなかったにせよ、この手のメーカー同士の競争は厳しく、時代とともに、各社のモニタースピーカーが、洗練されていきました。

本当にスタジオで使われているスモールモニターの種類は、しかしながら、限られています。

私が知り合いの数人のエンジニアさんなどから聞いて、知っていり限りでは、3種類(3社?)くらいでしょう。

1)ジェネリック
2)アダム
3)ムジーク

 

以上です。

 

それ以外にも存在している可能性はありますが、メジャーなものをあげました。一番無難だからです。

 

それ以外のモニタースピーカの入手は、慎重になってください。相も変わらず、プロの現場で使われてもいないのに、モニタースピーカーと名乗るスピーカーを、ネット上ともなると、アマチュアのかたを騙す目的の、非常な数のデタラメモニターを、あちこちで、散見しているからです。

 

■ミックスダウンの課程


さて、ヤマハのNS10Mが生まれながらに持っていた欠点(問題点)を書きます。

自宅録音のかたも、プロのかたも、NS10Mをモニタースピーカーにしてのミックスダウン時には、次の課程を経ているはずです。

1)非常に録音の良い、優れたミックスダウンのイメージ、数枚のリファレンスCDの音が、頭の中にあります。理想とする録音です。それはおそらく数枚のCDでしょう。

2)そのリファレンスCDの音に近くなるように、モニタースピーカーの音を「目を凝らすように神経質に聞いて」、ミックスダウンしていきます。

3)プレイバックして、何度も聞き直し、良く分からなくなった時には、リファレンスCDを、そこでプレイバックしてみて、1枚で分からなければ、二枚のCDをプレイバックしてみて、ボロであろうがなかろうが、とにかくそこにあるモニタースピーカーを通して、どこがそれと違うのかを確認して、リファレンスCDの音に、時間をかけて似せていきます。

上記の方法を、NS10Mをモニタースピーカーに使う場合のミックスダウン時には、100%の確率で、取られていることと思います。頭の中は、音の足し算と引き算で埋め尽くされているはずで、そこにエネルギーの大半が吸い取られていきます。

その作業をしていること、しなければならないことこそ、そのモニタースピーカーが信頼できない品質のものである証拠です。

優れた本物のモニタースピーカーは、聞いた通りの音に録音されます。最も音楽が素晴らしく聞こえるようになる、まさにそのポイントに向かって録音するだけで、リファレンスの必要などありません。モニタースピーカーで聞いた通りの音が、マスターに刻まれていくからに他なりません。

また、NS10Mのように、爆音でミックスダウンする必要もありません。普通の音でプレイバックしたときにこそ、生音に近い等身大の音が出てきますから、全く無理がありません。等身大の生音という概念は、ミックスダウンには、非常に重要です。モニタースピーカーから「生音に近い音」が出ていれば、それイコール、完全に信用できるという、誰にでも分かる非常に単純なことです。ということは、NS10Mくらいのものではモニタースピーカーとは言えないということです。

そこにある音、人の存在、又は楽器の存在、音楽全体の存在が、よりいっそう気持ち悪いほどに生々しくなるように、さらに音楽が最も魅力的になるように、イコライジングしながらミックスダウンしていくだけです。この現象は、特に往年のアルテック612Aモニターに顕著でした。ただし、それにも欠点はあり、何でも素晴らしく感動的に聞こえてしまうので、慣れていないエンジニアさんは、間違う事があるという点です。

慣れているプロのマスタリング作業は、聞いた通りの生々しい信号が、マスターに刻まれていきます。それを再現しきれるオーディオ装置の有無などは、関係のないことで、間違いのないミックスダウンこそが最重要です。プロはどなたも最良のミックスダウンを望んでおられます。

ミックスダウン時の失敗や後悔、あそこはこうしておいたほうが良かったかな、というような、あとから来る迷いも、優れたモニタースピーカーさえあれば、一カ所もあり得ないミックスダウンになるであろうことは、プロのレコーディングエンジニアのかたならば、即座に理解されますでしょうし、作業が非常に早く、まったく合理的であることも、理解されますでしょう。

私は、612Aに匹敵するほどの、優れたラージモニタースピーカーが、早く出現することを願って止みませんでしたが、最近の(2020年あたりの)モニタースピーカーは、非常に優れている事にも気づきました。

それは、実に不思議なスモールモニターであって、等身大の音を聴いて、生音に近付くように、という考え方とは、違うものです。不思議に、それであら探しが出来てしまうように製造されています。

「あら探し」と、書きました。具体例を書きます。

小さいウーファーなのに、キックドラムとベースの音量の間違いが明瞭に分かります。ここは、キックの音量がベースに比べて小さすぎる。など、即座に分かるようになっているのです。それが「あら探し」が、出来るモニター、という意味です。

上記に挙げた3社のモニタースピーカーの特徴でもあります、1980年頃のものはどもかくとして、今購入すれば、間違いなく、それを実現してくれます。

メーカーによっては、「アダム」など、割安でも、完璧なミックスの出来るものもありますので、これは時代が完全に入れ替わったと言えるでしょう。もはや、ヤマハのNS10Mは、必要ないのです。アルテックの612Aですら、必要ありません。ダイナミックな趣味として、自宅で、アルテックの612Aは、使って下さい。

プロのレコーディングエンジニアのかたは、集中力、気力等、並はずれて非常に優秀なかたがたばかりなのですが(今まで出会ってきたプロのかたは例外なくそうでした)、いかんせん、モニタースピーカーの環境が悪すぎた時期が長く続き過ぎました。一億五千万円もするニーブやスチューダーの卓(ミキサー)に、YAMAHA NS10Mしか接続されていないなどということは、異常事態です。

例えスタジオの経営側が、ラージモニタースピーカーは、これこれの46センチウーファーのものを壁に埋め込んで、背後からの反射をも防いでいる、これは米国のどこそこのメジャースタジオと同じであるなどと宣伝していたところで、レコーディングエンジニアのかたがた本人が、それらを全く信用できないものとして見限っており、全くあてにもせず、気分転換にしか使われていないようなことでは、それらは、ろくなモニタースピーカーではなく、使い慣れたNS10Mのほうがまだましだということで、長らくNS10Mだけがスタジオに取り残されていた時期が20年単位という長きにわたって、あったのです。

 

 

■結論


「多くの人がラジカセだから、それにミックスダウンの音を合わせておこう。」又は、「多くの若者がiPODでイヤフォンで聞いているから、それに合わせてミックスダウンの音を合わせておこう。」

それは、非常に問題のある、「ムダ」、「ムラ」、「ムリ」、仕事で言えば三大悪であり、許されない考え方です。

真のプロフェッショナルのかたは、今まで書いたことから、すでに理解されていることと思います。そのような考え方は、二流の考え方です。

プロフェッショナルは、責任を持って、徹底的に正確な信号をマスターに刻み込むこと、それが仕事であり、その姿勢こそが、良い結果を生みます。

皆が使う音源、風潮に合わせるなどということは、どうでも良いことです。プロのかたは、100年後にも、その音源が最高の音源であって欲しいはずです。

そのときに使われているものがラジカセなのかiPodなのか、そんなことは分かりません。完璧なフラットが出るものを誰もが使う時代が来ているのかもしれません。そのような時代は来ていないかもしれませんが、そんなことはどうでも良いことです。

最高の録音を再現できないとしたら、それはラジカセ側の責任であり、スマホ側の責任、未来の再生機材の責任であるということです。

 

(2023/8/25)

🔴案の定、ラジカセは消えましたでしょう??ラジカセに合わせた録音は、無駄になってしまったということです❗
🔴目に見えないところにあるかのような、真実の「基準」に合わせなくてはならなかった❗ということです。

 

やはりですね。レコード会社側の、二流の考え方に、プロのかたは妥協してはなりません。それでは二流の録音しかできません。

 

 

■さらに、上記の二流録音がもたらす結論を明確にしておきます。


徹底的に正確な信号を録音した一流の音源があるとします。かたや、iPodやラジカセに合わせた録音があるとします。両者をiPod、ラジカセで聞くとします。いづれが良い録音に聞こえるかは、明白なことです。

誰が聞いても前者を選ぶ筈です。

これで、十分でしょう。

 

 

■注意点


アルテック612A(銀箱)というモニタースピーカーの名前、アルテック604ユニットというモニタースピーカー用のユニットの名前を出さざるを得ませんでした。素人のかた、オーディオのかたは、WEのフィールドスピーカーと同様、これにも近寄らないでください。これによって、いかに多くの熟練したオーディオマニアのかたが泥沼に陥ってしまわれたことか、それはまさしく吸血鬼のごとしです。一生涯かけてもセッティングできないかもしれない、非常に危険なプロの道具です。

セッティングしきれるのはプロだけと想像します。アルテック612Aというモニタースピーカーは、セッティングしきってこそ、はじめて上記のような、聞いた通りの録音がしていけるものであり、セッティングが不完全ですとかえって混乱してしまうことになります。あまりにも正確に信号を増幅してくるからこそ、一個のXLRプラグ、一本のケーブル、一個の電源プラグ、アンプ、卓などの選択ミス等、一つも許されません。もろにその間違いを出してきますので、その原因はプロのかたにしか皆目分からないはずですし、オーディオ用のプリアンプやパワーアンプくらいのものでは、とうてい鳴るものではありません。したがって、アルテック612A(銀箱)の本当の音、本当の能力は、オーディオ界では、オーナーであれオーディオ店であれ、ただの一人も知らないはずです。

趣味に使うには、あまりにも過酷で、かつ、デリケート過ぎる、本物中の本物のモニタースピーカーなのです。

オーディオは、プロのレコーディングとは違います。趣味です。趣味として割り切って、誰にでもお勧めできるモニタースピーカーは、能率90dBから93dBほどの、30センチか、38センチのウーファーのPA用スピーカーです。(EV(エレクトロボイス)のTX1152レベルになりますと、性能も高く信頼性も高いPA用スピーカーです。ところが、モニタースピーカーとしても、ある程度は、使えるものになります。ある程度です。)

低域のチェックには、38センチウーファーのスピーカーが必要不可欠なのですが、TX1152は、38センチウーファーものです。あら探しには、現代の小型のスモールスピーカーが必要です。それは、プロのスタジオさんなどに、どれがいいかを聞いて下さい。

低域のあら探しの為だけに、TX1152は、使って下さい。

アルテックは、A7、又はA5のほうが、よほどに安全な部類のものですが、アルテックA7にしたところで、過酷なことになるのは当然だという認識と覚悟がいります。これらもモニタースピーカーとして使えないことはありませんが、EV(エレクトロボイス)SX300や、TX1152などに比べますとモニタースピーカーとしては、クロスオーバー周波数の問題を抱えていますから、モニタースピーカーとしては、電源を良くした場合には、音の焦点の調整が難しいですから、非常に使いにくいです。アルテックA7につきましては、スピーカーの能率という項目でも、触れています。

⭕この2つのアルテックも、近寄らないほうが無難なスピーカーです。

 


■現代のモニタースピーカーにつきまして(2014/12/29記述した文章です。上記と少しダブります。)


現代は、デジタルレコーディング全盛の時代になりました。そして、アナログ時代より音が良いのではないかというほどのデジタルレコーディングすら可能になってまいりました。

それとともに、モニタースピーカーの環境も、やっと変わってきましたので、追加して、修正すべきところは、修正します。先の記述と合わせて読まれますと、「モニタースピーカー」の役割というものが、より理解出来るだろうと考えております。


ラジカセの全盛期の頃のスモールモニターというのは、ラジカセの音をスタジオで確認する為のものであった事は、前述した通りです。
しかし、現代のスモールモニターは、用途が全く違ってきています。現代のラージモニターでは、優れたものも出て来ております(目から火が出るほど高額ですが)が、そのような高額なものを買うまでもなく、用途は同じなのですから、EVのTX1152を、低域専用のモニタースピーカーにしたほうが十二分どころか、そちらのほうが用途に向いているくらいです。

しかし、TX1152も含めまして、それらのラージモニターで音楽を聞きますと、どれもこれも、欠点が隠れて、音が気持ちよく聞こえてしまうという、ラージモニターは、ほぼ例外なく、モニターとしては致命的な欠陥も、同時に持っているような気がします。よほどの手練れでないと使えません。

信頼性の高い、「パワードモニター」ですと、安いものでも、16センチウーファーもので、一個7万円、二個で、14万円から、15万円します。これで一番安価なものです。が、安価でも非常に高性能です。

それらの役割は以前の小型モニタースピーカーとは全く違っており、しかも、皆さんに縁のあるオーディオ用のものとは種類が全く違うものですので、決してオーディオ用のスピーカーをモニタースピーカーとしては、使わないで下さい。

注:)モニタースピーカーを、オーディオ用として使う分には、とても素晴らしく音楽を聴かせてくれます。問題ありません。


(気を付けて下さい!!、オーディオ用と私が書いているスピーカーというのは、〇B〇の、モニタースピーカーという名前で売っているもの、一つ残らず、全てを含みます。〇&Wもそうです。それらは、単なるオーディオ用に過ぎません。モニターとウソをついているのは、より多く、販売したかっただけの事です。)

何というおそろしいことを彼らはしていたのでしょうか!

★ モニター事情は、ヤマハ10Mの時代とは、全く事情が違ってきていますので、注意してください。



■最大注意事項:)パワードモニター(アンプ内蔵のモニタースピーカー)が、おそらく、共通して持っている特徴につきまして。


現代のモニタースピーカー(パワードモニター)は、あら探しに向いていると書きました。それは、壁コンセントに来ている、通常100Vで接続しておいて、おおむね、フラットにセッティング出来た場合です。

現代のスモールモニタースピーカーの9割までが、アンプ内蔵型、つまりは、パワードモニターと呼ばれるものであり、音の焦点のセッティングは、一見不可能に見えます。

ただ、抜け道があります。それらのスピーカーを使われる時には、他の機材には、ダウントランスやダウン&アイソレーションなど、優れた電源を出来るだけ使っておいて、パワードモニターだけを、壁コンセントに来ている、通常100Vから取ってあげて下さい。

それで、最善の録音環境が整うと思います。


が、おおむね!、おおむねではありますが、どのみちミックスダウンやマスタリングの作業というのは、メジャーレコード会社(ソニーミュージックや、エイベックスや、ヤマハなど)の仕事を請け負っているレベルのプロのエンジニアの力を借りなくては、うまくいく筈が無いほど、レベルの高い作業です。

レコーディングエンジニアというだけではダメです。現役で、ソニーやエイベックスなどの、メジャーレコード会社の仕事を請け負っているレベルのエンジニアか、専門の会社でないと、依頼しても満足するものは出来上がりません。

さてその際、出来るだけプロのエンジニアに任せる以前の段階で、優れた音源を作っておいたほうがいいのは、言うまでもありません。そのほうが、短い時間で、音楽が完成する、すなわち、コストが安くつくのです。

そして、音の濃さ、デジタルの濃さというのは、自宅でレコーディングする時にこそ、決まってしまうのです。

その時には、200Vからの、又はアイソレーション系の、良い電源を使い、デジタルロスを最小限にしなければ、音を濃くするチャンスは、いくらプロにその後任せても、もうやって来ないのです。

さらには、意外にも、プロのエンジニアは、音の濃さには全く無関心なケースが多いのです。ミックスダウン、マスタリングにおいてはプロですが、音の濃さや、音の焦点については、素人さんなのです。

ということは、絶対に(絶対に!!)、録音ルートだけは、パワードモニターを使ったとしても(パワードモニターは壁コンセントの100Vから取ってください)、他の録音機材全て(録音ルート)には、200Vからのダウン&アイソレーション級の、非常に良い電源を使ってあげて下さい。

つまり、ラージもスモールも、最善の「濃い音」の録音には、「録音ルート」だけは、必ず最善の電源を使って下さい、ということです。



注:)パワードモニターの場合には、モニターそのものの電源には、そこまで良い電源を使ってはいけません。録音結果の音の濃さには、関係の無い部分でもあります。録音ルートと、モニタールート、この違いは、素人さんでも理解出来る筈の事ですので、決して混同しないで下さい。そして、理論を、理解してください。この程度の事が理解出来ないのであれば、自宅レコーディングは最初から無理です。

ダウン&アイソレーション級の電源は、あくまでも、録音ルート、そして、モニタールートには、通常100V。それで、完璧です。音も非常に濃い音で録音されます。でないと音の焦点が、キンキンになってしまって、せっかくの良質なパワードモニターが、使えなくなります。



その際、モニタールートへの電源は、何でもいい、というよりは、壁コンセントから取った100Vのほうが、パワードモニターには向いている、と、しておきます。

パワードモニターは、アンプ内蔵です。要するに、わざと、内蔵アンプには、100V電源を、送ってやって、音の焦点が普通になるように、取りはからって下さい、ということです。そうするだけで、音の焦点が一発で決まりますし、音源が濃いので、モニター環境に狂いが生じる事もあり得ません。目的が録音だから、これは成立することです。

オーディオの場合には、すべての電源を、ダウン&アイソレーションから取るのが理想ですが、現在問題にしているのは、レコーディングです。オーディオとレコーディングは別物です。ただし、録音ルートは、何度も書きますが、「デジタルが欠落して薄い音になってはいけませんので」、すべて、ダウン&アイソレーション級の電源から取ってあげてください。



■要点をまとめます。


自宅録音のかたは注意してください。本当に良いレコーディングをしようと思ったら・・・、

最後は凄くハイレベルなプロの力が必要であるということと、モニタースピーカーには、プロ用、つまり、あら探しに向いている、プロ用のパワードモニターを、壁コンセントの通常100Vから取っていただくということ、他の機材は、予算が許す限り、最高の電源(理想は、200Vのダウン&アイソレーション級のトランスなど)から電気を取るということ、そのあたりが、濃密な音で録音出来て、さらには、モニターで躓かないコツです。

そして間違ってもオーディオ用のスピーカーだけは、モニター用として使ってはならないことだけは、しっかりと、記憶しておいて下さい。特に、〇B〇のモニターや、B〇Wなどのモニター(と名乗っているスピーカー)では、全くダメですので、その点は注意してください。

現代の本物のプロ用のパワードモニターは、非常にマニアックなメーカーのものです。


★小型パワードモニターの機種を具体的に知りたいかたは、メールか、お電話などで、プロケーブルに、お問い合わせ下さい。日本では、それは到底作れるものではありませんので、日本製は見限って下さい。

 

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これより先は、「お客様の声」とします。
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プロのスタジオさんからコメントをいただきました!

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Music Well Studio さんのコメント: モニターの音はどうあるべきなのか!!

Subject: 導入感想をお送りいたします。

PRO CABLE さま

お世話になります。
御社より、スター電器 3000W ダウントランス コンセント16個バージョンと
シールド電源ケーブルを購入させて頂きました、
大阪のMusic Well studio の○○○○と申します。

御社の多くのお客様が感想をお送りされていますので、僕もお役に立てれば
と思いメールさせて頂きます。

接地工事が終了いたしました。
A種棒を2本連結しました。この時点で抵抗値が13Ω出ていましたので、
これで完了としました。

今回の電源廻りのリニューアル前は、○○○製100Vの大型アイソレーションレギュ
レーターにて整流し、その後に○○○製 ○○○-1500(コンディショナー) を配し
て使用しておりました。

そして今回、音に直接関わる機器には、スター電器 3000W ダウントランス に
マリンコシアターモデルを配して直接接続しました。(○○○-1500はキャンセルです)

結果、音場がとても大きく感じられ、今までに聴いた事のないダイナミクス豊富
な出音です。
これがノイズレベルの下がった事のみで得られる“音”なのかと疑問に思う程です。

私は常に “フラット” な音環境を切望し、そこを追究する事がリスナーの皆様に
対しての責任だと日々考えております。

目指すは良いものと悪いものをしっかり聴き分ける事が出来るフラットな環境です。
その様な着色のない環境での制作を可能にしないと最終アウトプット(流通商品)時
点では大変な事になります。

制作初期段階で少しでもピーキーなものが出来上がってしまうと、その後段階での
作業で段々としわ寄せが積み重なり、ごまかしごまかしで最終的にはろくなものに
はなりません。

制作スタジオに求められるのは限りなくフラットな音響環境です。
決して良い音も悪い音も『立派な音にしてしまう再生環境』ではありません。

Studioで自然に出来た“音の印象”がどの様な再生環境(ヘッドフォン、ラジカセ、
カーステ、喫茶店の天井スピーカーそして高級オーディオ等)においても“同じ印象”
で聴く事が出来れば、制作環境としては最高の状態と言えます。

歴史的に、あまり良い環境で制作出来なかった頃に“エンジニアの勘”というものが
生まれ、そしてそれが重要視されてきた気がします。

フラットな再生環境では無いため“見越”の技術が必要だったんですね。
なんとも恐ろしいですね。

“音”が解りにくければ、音楽制作は大変困難になります。

今、目の前では今までに感じた事の無い“素晴しい音”が鳴っております。

しかし、それだけではありません。
制作段階では各トラックに色々な補正処理を施します。その中にEQ処理や音圧処理
があります。
リニューアル後、特にEQ処理には大きな変化が出てます。
パラメーターを動かす幅が大幅に減少しました。変化がとても良く見えるからです。
処理後のEQカーブを見ても今までの様に大きくはなりません。なだらかで微妙な曲
線です。

“自然に聴こえるまま”で、何の見越も必要なく作業出来ています。

不安になるくらい。。。(笑)

これで大正解なのだと思います。
大きく変化させる事はピークを生みます。

振り返って、今までどれだけピーキーなものを創って来たのかと思うとゾッとします。

音をCD-Rに納め、いつもの様に色々な再生環境で聴いてみました。
実験です。ここが私にとって “肝” となります。 ドキドキです。
その結果は . . .  凄い!! ニュアンスは変わりません!
(勿論、再生環境によって迫力等は違いますが…)
今まで苦労して何度も何度も色々な環境で聴いては直し聴いては直ししていたものが、
一発でOKレベルに到達出来ました。

これは本当に素晴しく嬉しい限りです。

驚いたことに気が付けばなんと位相感までも改善されてしまってます!
モニター環境にまで影響が出るとは。。。

電源を“まとも”にする事は本当に万能薬の如く色々な恵みが与えられるのですね。
本当に驚きです。

 

また、今度は“音の焦点合わせ”も行いたいと思います。(とても大事そうですね)

以上が現時点での導入感想となります。
 

最後になりましたが、
この環境を手に入れる切っ掛けをご提示頂いたProCable様には心から感謝いたします。

本当にありがとうございました。

(長文、乱文失礼いたしました。)
 

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

Music Well Studio
代表 ○○ ○○
○○○-○○○○-○○○○
http://www.musicwell.jp
 

 

 

プロケーブル注:)このスタジオさんにいただきましたコメントは、基本的には電源への
コメントだったのですが、それで収まり切らないほどに内容の濃いものでしたので、こち
らに掲載させていただきました。なお、コメントをいただきましたのは、2008年頃で
したので、今は、Music Well Studioさんも、全く違うモニタースピーカーの環境になってお
り、(モニタースピーカーが急速に進化しましたので)、当時とは、雲泥の違いのモニター
スピーカーの環境ではないかと思います。

 

 

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モニタースピーカーとヤマハ NS10M モニタースピーカーは、いつの間にか堕落してしまいました。パワードモニタースピーカーやNS10Mなどという使いものにならないモニタースピーカーが全盛です。

 

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